台風

 曇り時々雨、気温は低い。

 北海道は、昨日から台風の影響で雨が降ったり止んだりを繰り返している。まあそれでも北海道を直撃しないだけましである。

 今回の台風は、日本列島に上陸し沿いながら移動した今年初の台風となった。そのため陸海空と交通は乱れてしまった。やはり人間は、自然には勝てないという事の証明をされてしまったようなものである。

 それでも、なすがままというわけでは無く、それなりに備えは徐々にできつつある。その一つは、災害に強い建物が増えたことである。簡単に風で飛んでしまうような建物は減った。

 さらに台風などの自然災害を予知するための観測システムが発達したという事である。むかしなら、今どこに台風が有るのか判らなかったが、ある程度リアルタイムにどこに台風の目が存在するのかが判るようになってきた。それも気象衛星などの観測システムが地球を見張っている成果である。

 また予報技術も進み大凡の台風の進路を外すことは無くなった。昔なら、台風の気分任せでどこに進路を取るか判らなかったものが、だいたい100%の確率で判るようになってきている。それも自然災害を減らす手助けになってきた。だから近年台風による死傷者の数が激減した理由だろう。

 それでも、土砂崩れ、洪水などの自然災害は無くならない。これなどやはり災害に強い都市計画を進めなければ絶対防ぐことは不可能である。そういった危険性のある場所に住まないというのが第一原則だが、いつの間にか昔洪水の被害に有った場所や、土砂災害に会った所に住宅が復活していることがある。それは、昔の教訓に何も学んでいないということである。確かに毎年そういった被害に会うことは無く、100年に1度くらいの出来事のため世代が変わればその記憶は薄れてしまいまた同じことを繰り返してしまうことが人間にはある。

 忘れることは時には正しいが、やはり忘れてはならない記憶が有る。その記憶が東日本大震災の記憶だろう。あれがまた繰り返された時、その記憶が引き継がれていれば、あれほどの惨事にはならなかった筈である。それは日本人に試される試練でもある。