J1降格

 秋晴れ、気温は12度くらいと冷えてきた。ただまだ日中は暑いため紅葉が始まるのはもう少し先、そうなると10月末頃かもしれない。そうなると紅葉の見頃は短い可能性が高い。


 コンサドーレ札幌のJ2降格が最短で決まった。J1に昇格が決まった時から、何らかの補強をしなければ残留困難だろうという予想は既に立っていたわけで有ったのだが、それもままならず、更にあれだけJ2で苦戦したのに監督の交代が無かったのもこの結果を招いたと言って良いだろう。

 補強の点でいえば、オーストラリア代表のノース選手は、代表への召集が有るため抜けることが多く、更に怪我などの欠場でシーズンの3分の1は出場できなかった。これは補強した時点で判っていたことである。その代りが、いないのにもかかわらずそのバックアップが岡山選手一人、若手の奈良選手、櫛引選手は、成長しきれなかった。奈良選手などは去年の抜擢から今年どれだけやれるか期待していたのだが、前半に自信を無くしてしまい、スタメン落ちをしてしまった。その後の迷っている姿は、守備に不安を持って行っているのが見ているものにも判る状態であった。

 ボランチの河合選手も札幌の中では危機察知能力はぴか一であったが、体力の衰えは否めなかった。本来なら後一歩で届くところが交わされてしまうなどもう少し体力が有ればと思わせた。それでも札幌では頭抜けているのだから他の選手の実力は推して知るべしである。

 その中で、山本選手は積極的な攻撃参加とシュート力は見せるものが有ったが、まだまだ守備力の面では相手に抜かれてしまうところが見られた。でも河合選手に次に活躍したのだと思う。

 そして、やはり期待外れだったのが、宮澤選手だった。本来ならFWかトップ下で使われる筈だったのだが、簡単に相手にボールを取られたり相手にパスしてしまう点の改善は見られなかった。J1の守備力の差かもしれないが、もし次に飛躍するのだとしたらそこで能力を発揮しなければ今のステージから次のステージに上り詰めれない。見ているものにもどかしさを覚えさせた選手である。それでも、GK以外はすべてやったのではないかというように、監督に使われたのは、期待の表れだったと思う。もし、この先日本代表にでもなるようなことがあれば監督に感謝しなければならないだろう。

 内村、近藤選手は、J1で戦うにはもう一歩というところで、J2では通用した力がJ1では通用しないことを感じたのではないだろうか。J1で生き抜くにはやはり何か平均以上のものが備わっていないといけない。そのスペシャルな部分が開花しなかった。内村選手などはゴール前の身のこなしの素晴らしさは良いものを持ているのだが、中々フリーになることが出来なく、一試合に一度くらい訪れる絶好機を逃すことが多かった。でもJ1上位チームならその好機が2,3回訪れその内の一つを決めれば良いだけで有るのに対し札幌ではその一回を決めなければヒーローに成れない厳しさが有った。それが出来なかったことは不運だったかもしれない。

 近藤選手は、あの体力が90分続けばと思う。今のFWは前からの守備が求められ、近藤選手も一生懸命ボールを追いかけていた。あれは監督の指示で、試合に出続けるにはあれをクリアしなければスタメン落ちするのを判っていたのだろう。しかし、その走りは周りの連携が有ってこそ生きるもので、殆どが無駄走りに近く、それで体力を消耗しいざという時に足が着いて行かないという結果になった。

 あの前からの守備は、J1レベルでは無駄走りに近かった。それは前目の選手たち全員に言えることである。ボールにどうやってチャレンジし相手にプレッシャーを掛けてボールを奪うかという選手間の共通する意識が乏しく、あれは監督の指導ができていない結果である。もし、無駄走りが多いのなら前のボールにチャレンジする距離を少し短めにしなければいけないし、もし相手にプレッシャーに行ったのならせめて相手の守備ラインを下げさせるくらいでなければならない。相手に交わされて空いたスペースを使われていては簡単に足が止まってしまう。

 そして何故と思うのは、やはり監督の手腕だろう。あれだけJ2でも無双できなかった訳である。パスサッカーを目指しながらもJ2で挫折しショートカウンター一辺倒に変えたはず。それでも上手く決まらずに漸くJ1に滑り込んだ。やはり冷静な守備が有ってこそJ1で戦えるはず。その冷静な守備は最後まで魅せられず、ゴール前に人数が揃っていても簡単に崩される。その原因の一つが下がりすぎるために相手にボール回しを自由にさせてしまう点にあった。それは、自分たちの攻撃時間が短く、守備に大半を使うため全員の足が止まってしまうからである。あいては、札幌のチャンス時に全員がまえ掛かりになった時にボールを奪いカウンターを食らわせれば得点が生まれると知っていた。札幌が勝てた時は、そのチャンスで得点を決められたときだけである。

 だけれどもJ2であれだけ一緒に戦ってきた選手経ちなのに、あれだけパス回しが一向に進歩しないのが不思議である。毎日と言って良いほど一緒に練習しているのだから相手がどこに動きどういったボールが良いのか知っているはずなのにそれが出来ない。それはボールコントロールが雑と言ってしまえばその時点でプロでは無い。プロというのは素人ができないプレーをして初めてプロと言えるはず。だから選手個々にはその能力は当然あるはずでそれが無いという事は無い。それでできないのはやはり同じ考えを同じ瞬間に感じていないという事に尽きる。

 もし可能なら、今のレギュラー選手をひと月くらい無人島に住まわせてサバイバルをさせた方が良いだろう。それほど、考えが合わない場面が多すぎである。

 もしかするとJ1で戦うには、選手も監督も会社も未熟だった。選手や監督は毎年入れ変わって行くが、会社はそうではない。チームが出来てから相当の年数が経っているはずなのに会社がプロ組織では無い。それはトップに立つ人間がプロではないからだろう。それはどのチームも抱える問題かもしれない。会社の人間が本当のプロにならなければプロサッカーチームを維持していくのも不可能に違いない。

 そのプロ組織を作るためにも、一度日ハムに研修に行った方が良いのではないだろうか?野球チームであっても会社を運営するためにはそれなりの組織でなければリーグ優勝など不可能である。