浦和 vs 札幌

 監督が今季限りで勇退が決まり、その発表後の最初の試合となった。相手の浦和は、優勝戦線に生き残るために負けられない試合であり、札幌は、J2降格が既に決まってしまったあとである。

 浦和にとって札幌は安牌と思っていることだろう。相手はJ2並のレベルであり、自分たちはJ1で優勝を狙おうとしているチームだもの、もしここで負けたら周囲に何を言われるかわからないから必死で試合に望むことだろう。

 そして試合は、札幌の5バックに対し、原口選手のワントップ。更にその下にはそうそうたるメンバーが揃う相手に対して、札幌は怪我で主力が欠場し、満身創痍とはこのことである。

 しかし、試合は相手のツキの無さと、札幌の必死の守りが功を奏し、古田選手のカウンター2発で1-2で札幌が勝利した。

 たらればになるが、もしこの日のように現実的な戦いをしていたらこんなに早く降格は決まっていなかっただろうと思う。

 それもこれも開幕時既にメンバーはJ1初経験が多数を占め、昨年のレギュラーが移籍し、補強したメンバーは、練習中に怪我、という状態で理想のサッカーをすすめる石崎監督の考えが素人には判らなかった。

 確かにJ1で戦う目的が、J1定着というもので、もし残留してもJ1で戦っていくレベルにならなければ残り続けることはできない。それは解るというよりそういう考えを持つ人が居るんだというくらいなもんである。

 何故、せっかくのJ1で、破れかぶれの戦いを挑むのか理解に苦しむ。監督は既に思い残すことはないのだろう。しかし、選手たちにとって1年が勝負である。その1年でまたJ2に落ちれば選手生命を失いかねない。その人生を掛けた戦いが新記録でJ2に落ちる結果となったわけである。

 

 まあ、それを受け入れた運営会社の方もどうかしている。あれだけ負け続けても補強は限りなく低コストですまそうとする。それで自分たちの働きをしなくてどうするというのだろう。

 最低でも来年のために、今後も生き残るために最後のご奉公をすべきである。