中国

 晴れ。夜中には雨混じりの強風が吹いていたがそれもすっかり落ち着いた。そして、今日、今年初の雪虫を見た。もう少しで初雪がふるのだろう。


引用 朝日新聞http://www.asahi.com/international/update/1028/TKY201210280404.html) 

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)はこのほど、中国の温家宝(ウェンチアパオ)首相の親族が少なくとも27億ドル(約2160億円)に上る巨額の蓄財をしていたと伝えた。一方、温氏側の依頼を受けた弁護士が27日、「虚偽報道だ」と批判する声明を発表。共産党大会を間近に控え、背景に党内の権力闘争を見る声も出ている。

 中国の、党大会前の混乱をうかがわせるニュースである。

引用 時事通信http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012102800136) 

中国政界の内幕報道が多い米国の中国語ニュースサイト・明鏡新聞網や博訊新聞網もタイムズ紙の報道を疑問視。明鏡は同紙の報道について、3月に失脚した薄熙来・前重慶市党委書記の支持者や保守派が画策したとのうわさがあると伝えている。


 中国の権力闘争は、何時もその動きは水面下において行われる。その水面の波紋の一部がこのように表に出るだけである。日本の権力闘争が余りにも判りやすいのとは対照的である。

 中国共産党が、第2次世界大戦後国家の中心に成って以来、記憶にあるのは、林彪事件林彪、そして毛沢東の妻であった江清を含む4人組事件、天安門事件での趙紫陽の失脚、そして最近では、薄熙来の失脚など、政治闘争でその地位を失ったと思わせる(薄熙来の場合は、妻による殺人事件が有ったためもあるが)歴史が有る。

 そしてその展開は何時も最後は、何事もなかったように国家が運営されるのである。

 このような中国の動きを盛んに取り上げているのが、朝日新聞である。中国の知らざれる動きを記者が丹念に追っているのであるが、これもきっと中国の中枢にいる人物からの情報提供が何らかの形であるのだろうと思う。

 そして今回の政治闘争上の深い原因となるのが、「裸官」問題である。裸官とは、何かというと

引用 中国語達人への道(http://www.chinesemaster.net/dictionary/裸)

文字通りハダカの王様ならぬ「ハダカの官僚」だが、別に服を着ていない訳でも、役職なしの平役人という意味でもなく、配偶者と子女が外国籍を取得していたり、国外に定住している官僚のことをいう。以前紹介した*を別の角度から読んだものと言えるだろう。配偶者と子女を海外に送り出す理由は……もちろん、高跳びのためである。職権を利用して蓄財し、頃合を見て海外に逃亡するのだ。海外逃亡した汚職官僚数は四千名強、流失額は総計50億ドルに上るとも言われている。逃亡先は世界各地に広がっており、中でもカナダが人気らしい。


 朝日新聞は、誰もが知るように日本の新聞の中では抜きんでて親中派である。それも時の勢力とリンクしているような記事を書く。中々興味深い新聞である。その情報収集については、他の新聞の追随を許さない。

 その新聞が最近行っている調査報道は、中国のどの勢力を結果的に支持するのかという事であるが、微妙に現政権とは距離を置きつつあるように思う。それは、一番冒頭に挙げた、中国の高官の不正蓄財のニュースを流したことに有る。

 中国の官僚の不正蓄財は、今後中国の政権を揺さぶるだろう。そういう意味で、中国の国家転覆も起こりうる。そしてその反乱を起こすキーワードは、やはり軍だろう。

 

 現在、中国軍(中国人民解放軍)のトップ(軍事委員会主席)は、胡錦濤であるが、党大会で今後の国家主席になると予想される習近平後もそのまま居座るようである。

 そしてもう一人の主役は、江沢民といえる。

 この江対湖の争いと、次期主席になる習、そして今の中国の体制に不満を持つ貧困層を使って変革を求める勢力、これが今後の中国をめぐる争いのキーワードである。