テレビが盛り返すためには

 晴れ、気温はマイナスである。

 昨日行われた「ニコニコ動画」の政党討論会の話題をテレビが報道していた。それも笑いながら。

 何故自分たちが報道しないことを恥ずかしいとか寂しいとか思わないのだろう。昔なら、そういった報道はテレビの仕事だった。それがいつの間にか自分たちの仕事ではないと思うようになったのだろう。

 インターネットとテレビ(民放)放送との違いはやはりコマーシャルだろう。報道何とかとか、何とかタックルとか、政党関係者が出演して討論を繰り広げるが、それを見ている方にとって問題なのは、時間制限があること、更に間にコマーシャルを挟むことで討論が尻切れトンボになることが問題となる。

 でもこれは民放側の努力でどうにでもなる。視聴率の低下が言われ見る人が少なくなったと嘆いておきながら、見られたいと思う番組が、お笑い芸人をひな壇に上げてのくだらない番組ばかり、スポンサーがつかないのも視聴率が低下しているのも、テレビ局の番組作りが原因の大部分を占めていることは既に気付いているはずである。

 それならみられる番組作りをするべきことだろう。もし良質の番組作りが予算が無くてできないのなら、役員、社員の給与を下げてでも作成すべきだろう。そして他局と比較して質の高い番組作りをしていけば必ず視聴者やスポンサーは回帰するはずである。

 今までテレビをリードしてきたフジテレビが成功したのは、真面目な番組作りをしていた他局とは逆に、出演料の安いお笑い芸人や、自局のアナウンサーを使い、お笑いというところに焦点を当てた番組作りをしたからである。

 それまで、テレビは真面目では成らないという殻を破ることで視聴者の目を集め、それが高視聴率という結果をもたらした。それは、更に番組作りに安直さをはびこらせる原因にもなり、そんな低価格で高収益の番組作りができるのならと他局が追随し始めた。そしてそれが現在フジテレビの埋没を生んだと言える。

 

 やはり、全ての局がお笑い芸人に走った今、やるのは真面目な番組作りと番組の質を上げるという事だろう。その質を上げるという事にお金を投入できる民放は数少ない。そこでできればきっとその局に注目が集まり視聴率が稼げるはずである。

 娯楽の世界で大きく伸びようとすれば、やはり逆張りの発想が必要である。他者と真逆の事をすることで差別化をするというのが王道である。そして他局に真似されたところでまた次の挑戦をするという事である。

 

 現状では、今回の選挙の報道をきちんと行う番組作りをすることである。コマーシャルもサッカー番組などでは、前半、後半の間は入れないでも放送できている。もしなんならスポンサーの看板を背景に並べても良いだろう。

 そして、お笑い芸人を極力排除し、ジャニーズ、AKBなど他局で看板にしている出演者を排除することである。そうして他局と差別化したうえで番組作りをすると、他局でいつも見慣れた顔を見ないだけ新鮮になりそれだけでも差別化を図ることは可能である。

 まあ、自分たちの給与を下げてあるいは役員が首を切られても平気なテレビ局がどれだけあるか判らないが、少なくともそういった工夫無しに生き残ることは不可能だろう。