健康はカネでは買えない

 晴れ、気温は朝方は低いが、日中は相当上がりそうである。

引用 読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20120420-OYT8T01289.htm) 

福岡県大野城市の化粧品製造販売会社「悠香」が通信販売した「茶のしずく石鹸」の旧製品で小麦アレルギーを発症したとして、全国の被害者が20日、同社など3社に損害賠償を求めて一斉に起こした訴訟。さいたま地裁には、県内や千葉、茨城県に住む22人が、慰謝料など計3億1500万円の損害賠償を求め、提訴した。

 健康と美容、これは2大キーワードである。お茶の間ショッピングの商品には必ずこの言葉が枕に来ている。そこに消費者の要求が強いから当然のことである。

 今回起きた「茶のしずく」についてこんなお知らせがHPに掲載されている。

2010年12月11日

茶のしずく石鹸につきまして、より安心してお使い頂けるようになりました。
先刻もご報告しておりましたように、小麦由来成分(加水分解小麦末)を含有する製品につきまして、化粧品などでも、パンや麺類を食べるのと同じように、ごく稀にアレルギーを発症したと疑われる事例が厚生労働省※より報告されておりました。
弊社におきましては、小麦にご不安を持たれている方にも安心してお使い頂く為に、12月8日出荷分より、小麦由来成分を除いた商品をお届けさせて頂いております。
<略>
株式会社 悠香 研究開発部

何故小麦由来成分が必要だったかというと、石鹸の泡立ちを良くするためだったらしい。元来人間は、食料として小麦を摂取しているのだから何故アレルギーが起きるのか不思議と思われるだろうが、口から摂取された小麦は人間の消化器官で速やかに分解され吸収されるため、一部の小麦アレルギーを持つ人以外は問題にならなかった。

しかし、今回の小麦由来成分は、洗顔に使われるため、繰り返し目や鼻の粘膜に付着する。粘膜は、普段露出していないのでそういったものに直接触れることは無いのだが、花粉アレルギーがそうであるように、その粘膜に付着した場合、体の防御機能が働き、その異物を体の中に入れまいと人体が反応する。それがアレルギー症状になる。

 花粉アレルギーも、その原因物質が体の粘膜に出会わなければあのような症状が出ない。今回の場合も花粉と同様、アレルギー物質を粘膜に自分で触れさせたことに原因がある。

 その後、悠香が小麦由来成分を含まない商品を販売し始めたことからも判るように、元々、美容のためにこの成分は必要なかった。それによって健康被害が起きたことの責任は重いだろう。

 消費者が気を付けなければならないのは、本当の健康と美容を改善する商品というのは、少なからず危険性を伴うという事である。
 例えば、肌を白くするなどという事は、何らかの影響を皮膚に与えないと白くはならない。また、足や膝の関節の具合が良くなる健康食品が有ればそれは少なくとも医薬品と同等の効果があるという事なのだから、普通に一般に販売されることは無い。

 だから、多くの消費者が使って安全な品というものは、間違いなく何の効果期待できない物だという事である。もしそうでなければ長年使われることもない。もしそれで、何らかの効果が発揮されたとしたら、それはプラセボ―効果の一つでしかない。

 今回のように、無害と思われるものにも危険が潜んでいることを消費者は早く気付かなければならない。

 これで、このブログの欄に健康食品の広告が出たらシャレにならないのだけれど。