中国のスモッグ

 曇り、気温はマイナス15度くらいか、風は無い。

引用 時事通信http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013011300116) 

中国各地で1月上旬から連日、有害物質を含んだ霧が立ち込め、中国メディアによると、北京など33都市で12日、6段階の大気汚染指数で最悪の「深刻な汚染」を記録し、13日も続いている。呼吸器系疾患の患者が急増し、高速道路の通行止めや航空便の欠航が相次ぐなど、市民生活にも大きな影響が出ている。

 大気汚染の主な原因は、車の排ガスや工場の煙などから出る直径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質「PM2.5」。北京では12日、この物質の観測値が1立方メートル当たり75マイクログラム以下としている基準を市内全域で超え、半数の観測点で基準の10倍近くまで上昇。900マイクログラムを突破したところもあった。

 北京市政府は屋外での運動をやめるよう通達を出しているほか、外出をできるだけ控え、外出の際はマスクを着用して公共交通機関を利用するよう呼び掛けている。

 北京市の様子を画像で見ると、濃霧に覆われた巨大高層ビル群は卒塔婆のように見える。

 濃霧の原因は、市内と周囲の気温差が激しく、市内での人間活動による水蒸気が水滴化することによるものである。このような濃霧は朝方の市街地に出やすいのは日本でも同じである。

 それだけ北京市内からの熱放出が大きく、活気があることの裏返しである。また、濃霧が出なくとも大気汚染は深刻なようで、スモッグが話題になっていたが、今回はその霧の水滴に有害物質が取り込まれたことによることで同じ大気中に留まっているということである。これも風が吹けば東に流れ、日本にも到達するのだから良い迷惑である。

 このスモッグも、高度成長期の東京の姿に似ている。あの頃の東京も光化学スモッグの話題で有名だった。それが今の北京の状態と重なる。あの頃の日本も、工場地帯からの有毒ガスと今のように排ガス規制の無い車からの排気ガスが空気中に漂い、スモッグ注意報が発令されていたことを知る人も既に良い年齢に達している。

 今の中国では、その排気ガスの人体への影響を軽んじている風が有る。あるいは、その対策が急激な工業化に追いついていないというべきだろう。既に、そういった公害に対する対応策は確立しているのだから、全ての工場にその規制の網を被せるのは簡単だろう。

 中央集権国家なのだから、そういった対策を取ることは簡単なのだが、それが出来ないところに中国の問題が有る。建前は、中央集権国家だが、権力が分散し始めているのは誰の目にも明らかである。更に広い国土の事だから、監視の目を逃れて中央政府とは異なったことをして権力を集中させることも可能だから、地方の権力者が地力を蓄えれば、何時、春秋戦国時代に突入するか判らない。それ程、中国の経済発展は国の根本をも揺るがす状態にある。

 ただその権力構造の崩壊が何時明確に現れるかが判らないところが不気味である。もし中国の体制が崩壊すれば世界経済や世界秩序という点からも由々しき事態になる。その影響をもろに受けるのが間違いなく日本だからたちが悪い。それに恐れを抱きながらも中国依存度傾向が今後も強まるところに日本の弱点がある。

 中国のスモッグが対岸の日本に煙たい以上に、色々な影響が風に乗ってやって来る。それは避けられない事態なのか今後の日本の舵取りを任された安倍政権にのしかかる重しになるのは間違いない。