節分

 季節外れの雨、気温はプラスなのだが風が強いため体感温度はマイナス。傘が風で吹き飛ばされそうになるため腕は疲れるは、雨で融けた歩道の氷で滑るのを堪えるため足は疲れるはで、こんな日に外に出るのは危険である。


 今日は、2月2日で明日は節分である。2月3日が節分であることは知っているのだが、特に行事をすることは無くなった。

 昔なら、殻つきの落花生を撒いたり、袋菓子の「うぐいす豆」「赤豆」といった豆を、拾って食べれるように畳の上に撒くとか、広げた手のひらに載せてもらうなどした記憶があるが、そういった事もしなくなってしまった。

 今の衛生に敏感な親からしたら、床にばら撒いた豆を拾って食うなど言語道断であり、学校でやろうものなら抗議の雨嵐に違いない。だから、やるとしても袋菓子の更に袋に入ったおつまみの類を撒くことになったのだろう。

 だけれども節分のだいご味は、鬼の仮面を被った鬼役に対して炒った大豆をぶつけるというのが醍醐味である。それが無い節分など節分では無い。何時しか鬼役などといった風景は、あのドリフターズのコントの世界と共に消えてしまったのだろう。

 そしてその代りと言っては何だが、近年、恵方巻きというのが俄かに出だした。恵方巻きという風習は、北海道の風習には存在しなかった。そもそも恵方巻きなどというのは何処から来たか調べてみると発祥は大阪らしい。

 

 それを豆まきが衰退していったため、商戦挽回の一つとして恵方巻きが大プッシュされてきたらしい。大阪商人の考える商いの根性ということだろう。

 でも、この風習も家庭で作ってこそブームが起き、伝統になるものであって、のり巻きを作りかたを知らない人間が増えている現状では無理そうである。できない家庭は、総菜売り場で恵方巻きを購入するのだろうが、トレーに載ったパックの恵方巻きを買ってまで被りつくという事なら、伝統として根付くとは到底思えない。

 こうして節分という風習も、昔のご先祖様が気晴らしに行っていましたとさ、と語り継がれることになるのだろう。