原発問題

 晴れ、気温はマイナス10度以下、真冬日が続いている。本当に3月が来るのか疑わしいが、暦では確実に3月が今週やって来る。


 来月は、あの大地震から2年経つことになる。この間、日本人は変わることができたのだろうか?あの時、原発さえ無事だったら、違う日本が有っただろう。福島から避難した大勢の人たちの人生が180度変わったし、それ以外の多くの人たちも自分が思い描いていた人生の設計図を書きなおさなければならなくなったはずである。

 多くの人があの日にお亡くなりになり、そして多くの人が全ての財産を失った。それ程、多くのものを犠牲にして得た教訓は何だったのか、2年目を迎える今、検証しておかなければきっと忘れやすい人の事、10年も経てば何故福島の人たちが避難しなければならなかったのか、また東北の津波の被害を受けた多くの人たちの辛さを忘れてしまうだろう。

 我々の311は、アメリカ人の911と同じように忘れられない数字であるし忘れてはいけない数字でもある。

 

 時代のターニングポイントであったあの日から我々の意識はどのように変わったのか?

 まず、大きく変わったのは、原子力発電が殆ど動いていない。現在動いているのは、大飯原発3号機4号機だけである。

 大飯原発は、民主党政権時の野田内閣時代、産業界の圧力を受けて稼働開始した。その後、多くの原発が再稼働するかもと思ったが、断層、津波地震対策などの理由から再稼働に至っていない。更に安全性が確認され運転したはずの大飯原発原発の真下に活断層があるという意見が有ったが、地滑りの可能性もあるとして結論はまだ出ていない。

 引用 産経新聞http://sankei.jp.msn.com/science/news/130123/scn13012313220002-n1.htm

2013.1.23 13:22

 関西電力大飯原発福井県)の敷地内で活断層か否かが議論となっている断層について、専門家調査団の団長役で原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理は23日、「地滑りの可能性が強まった」との認識を示した。同日の規制委定例会で、田中俊一委員長の質問に答えた。

 あの当時、原発を全て止めるのは、稼働していても稼働していなくても地震などの大災害が起きても対応は変わらない事と、その間の核燃料を無駄にしてしまう可能性もあり、再稼働には安全性を確かめたうえという条件付きで賛成であった。

 しかし、その原発が動かないところから日本では大きなエネルギー政策の転換があり、自然エネルギーの利用が推進されてきた。

 自然エネルギーはクリーンだが、それなりに問題点は多い。太陽光は、日中しか発電しないし、風力は、風が吹かなくてはいけない。その他の自然エネルギーは、水力は河川法の関係、海流は、漁業団体の関係などから進展は遅い。

 また日本海、太平洋の深海にあると騒がれたハイドロメタンも、実際にモノになるまで長い年月が必要である。今の時代、比較的安定に電気を供給するには、火力と水力と原発しか存在しないのが現状である。

 現状の電力に関しては、自民党政権に成り、原発容認派が動き始めたようである。その実体が姿を表すのは、夏の参議院選挙が終わった後だろう。まだ、参議院民主党の勢力が強く、おいそれと事を進められないため、このままで安倍政権の支持率が維持できれば自民党の圧勝間違いないだろうから、自民党内の原発派も事を急ぐ感じでは無い。

 しかし、もし原発を容認するのなら原子力発電所がある県や自治体は、是非、結果責任をとえるような法律を作るべきだろう。原発容認派は、現世利益型の人たちである。自分たちの今生きている時代に利益を得ることができれば、その結果、子孫がどんなに苦しんだり苦労したりしたとしても何の心の痛みを感じない人たちである。

 今回の原発事故で、誘致した人たち(福島以外を含む)の責任をとった行動を見たことが無い。殆どの人たちは、東京電力の責任であり、福島原発だけの事故に矮小化しようとしている。

 

 もし、今後再稼働を行い、事故が起きた際、責任を過去に遡って罪を問えるような体制にしておくべきだろう。それでなければ、やりたい放題にやるのが人である。目の前に利益を見せられれば、簡単に寝返る人が大半であるから、そのむさぼった利益を遡って没収できるように法律を作るべきだろう。

 そうでもしなければ、この先、目先の利益に目がくらんだ人間たちが、砂糖に群がる蟻のように湧き出てくることだろう。