花粉症の時期

 晴れ、風が少しある。気温はマイナス5度くらい。4月までは寒くなったり暖かくなったりの繰り返しで行くのは例年通り。

 この春先は、アレルギーの季節である。まだ周りは雪に覆われているのに、アレルゲンは空気中を漂っているわけである。

 アレルギーは、自分の体を守るための防御機能が過剰に反応する結果である。

 例えば、小麦アレルギーなどは、普通に食事として摂取し人間の体のエネルギーとして利用されるもので人体には無害であるが、その物質を一度体が有害と誤認識した場合は違う。

 その体に入ったアレルギーの原因となる物質を排除しようと体の免疫反応(抗原抗体反応)が増強する。そしてその反応の際、組織を傷つけそこに炎症が起きる。それが繰り返されることで免疫反応の暴走を引き起こす。

 それが重症であればアナフィラシキという症状を起こし人体に死をもたらす。

 この時期、花粉症がぞろぞろと出現する時期である。花粉症と言えども侮るべからずで、花粉症が引き金になり死に至ることも有りうるのである。


 この免疫の過剰反応に対する治療法が存在するか?というのは、是非知りたいところである。

 現在花粉症に対する薬が市販されているが、これは免疫反応を抑えるというよりは、炎症を抑える目的が主である。いうなれば症状を和らげるものである。アレルギー反応が起きた時に使う薬である。

 

 免疫反応を抑える薬もあるのだが、元々免疫反応は、体に入ってくる有害物質を排除するための人間の防御機能である。もしそれを抑えてしまったとしたら、アレルギーの原因以外のものも体に侵入させることになるし、がん細胞の増殖を抑える機能も防御反応に含まれているため、がんが増殖しやすくなってしまう。だから免疫抑制剤を使う事はできないのである。

 もう一つの方法として、元々無害なものを体が有害と認識してしまうところに原因があるのだから、少しずつそのアレルギー物質に体を慣れさせようという治療方法がある。少量の原因物質(アレルゲン)を少しずつ体の中に入れることで、免疫反応を正常化させようとする方法である。

 これは、まさしく「毒を以て毒を制す」ということになる。体にとって毒と認識したものを入れるのだから方法としては正しいが実践するのは難しい方法である。

 というわけで、花粉症に対する治療は難しいし、一度なってしまえば死ぬまで治ることは無いと思っていた方が良いだろう。できるだけ症状を抑えることが楽に生きる方法になると思う。