栄枯盛衰

 曇り、気温は少しマイナス。雪がどんどんと融けて行く。春は近い。

引用 朝日新聞http://www.asahi.com/business/update/0328/OSK201303280058.html

 

パナソニックは28日、大坪文雄会長(67)が6月下旬の株主総会後に退任し、特別顧問に就任することを明らかにした。後任には旧パナソニック電工出身の長栄周作副社長(63)が就く。

 この文章だけ見れば、記事は、役員交代のお知らせとなる。しかし、その役員交代の訳は、2期連続の巨額赤字の責任を取るということである。

 パナソニックという名前の前は、松下電器という名前だった。そうあの松下幸之助が創業者であった。その頃の経営は、2番でも良い、堅実に売れる商品を売る。別名マネシタと影では言われていた。

 

 そして、日本の名だたる電子産業が軒並み売り上げで地盤沈下すると、国内で真似する相手が居なくなってしまった。今や電子機器のトップは、アップル、サムソンである。その製品を真似ようにも工場は日本には無い。

 国内での電子機器の先頭に結果的になると、その新製品開発力が元々乏しいとなれば、出す製品どれもがこれと言って特徴の無い製品ばかりに成る。

 国内で唯一生産していたプラズマテレビも価格競争力で負けてしまうと、パナソニックブランドで何がという状態になってしまった。

 パナソニックの乾電池も良く見るが、アルカリ電池などは既に国外の安価な製品に既に駆逐されており、三洋のエネループを買収したが、その効果も上手く発揮できていない。更に、太陽光パネルも、世界的にダブついて値崩れを起こしていては、もう目玉となる商品は何処にもない状態である。

 ソニーがつまずき、シャープもそれに続き、三洋は消え、NEC、三菱もパナソニックもとなると、日本の家電大手は、既に過去のブランドとなってしまった。それは、昔、ヨーロッパの家電メーカーが家電から撤退した時と同じ状況である。

 本当に栄光を一時期築いた企業が徐々に撤退するのは、法則に近い。それはどんなに立派な城を築いても土台が劣化し始めれば崩れるしかないと同様である。

 今、世界を席巻しているアップル、サムスンが消え去る時期もやがて来るだろう。それは、どんな企業にも言えることで、トヨタにしても、ガソリンエンジンという動力に変わるものが急速に発達すれば、何時しかそのトップの座から引き摺り下ろされる時期が必ずやって来る。

 イノベーションは、企業を成長させるとともに、企業を滅ぼす作用がある。