胡蝶蘭

 曇り、少し風が出ている。北海道も今夜から暴風域になるそうである。折角の週末の天候が悪くて残念なことである。


 今、我が家の玄関では、胡蝶蘭が花を咲かせ始めている。賞品として頂いたもので、立派な鉢に2株植えられていた立派な胡蝶蘭だった。

 頂いたのは去年の秋だったが、一月ぐらい花は持ったのではないだろうか。実は、胡蝶蘭など自分で育てたことは無く、きっとこのまま枯らしてしまうのだろうと思っていた。

 

 そして、2週間ほど水やりを忘れていたのだが、何と枯れずにまだ葉が青々していたのである。そんな環境でも育つことを知って、自分でももしかしたら育てられるのではないかと思い立った。

 それから胡蝶蘭の育て方というのをネットで調べ、花が咲き終わったら直ぐに鉢替えをしなさいと書かれていたので、ホームセンターに行き、素焼きの鉢と水苔を購入してきたのである。

 贈答用の胡蝶蘭は、小さな樹脂のポットに入れられたまま花瓶に2つに分けて入れられていた。それを取り出し、根に巻かれた水苔を取ろうとするが、しっかり根に絡まり簡単に取れそうもない。そこでネットで調べたとおり、水バケツにそのままつけること数時間、水を含んで柔らかくなった水苔を手でむしり取り、根だけにして、長く伸びた余分な根を植木ばさみで切り、根の長さを整え、これに水苔を巻くのだが、そんなにきれいに巻くことはできない。少々不恰好でもエイヤと丸め素焼きの鉢に押し込んで終了した。

 そして居間の窓辺に置いたのだが、余り直射日光は宜しくないと書いてあったので、直射日光が当たらないところに置くことにした。

 更に冬期間は、冬眠時期なので肥料は上げないと書いてあったので、肥料もやらず、水も鉢に詰めた水苔が乾くまでやらなくても良いと書いていたので、1,2週間に一度程度の水やりしかしなかったのに、どんどん成長する。その間、古い葉は黄色くなり落ちてしまったがその中心から葉が成長するので一安心。

 北海道の住宅は、真冬は暖房をつけっぱなしなので室温が15度を下回ることは無い。その環境が良いのか、冬の間、一鉢から花茎が出始めた。最初は、本当にそうなのか半信半疑だったが、徐々にその茎は成長し、50cm位の高さになると、花芽が出始め、ふくらみ、一番花が咲き始めた状態になった。

 自分の中では、胡蝶蘭の栽培は難しいものだと思っていたが、案外ずぼらな性格の人間には向いた花かもしれない。何故なら水やりを忘れていても案外大丈夫だし、肥料世話はいらずこんな立派な花を咲かせてしまったからである。

 残念ながらもう一鉢は花茎が出ず、脇から太い根ばかり出てきて、今は立派な葉だけの状態である。きっと古い根を残しすぎたためその根を補充するのに向いてしまったのだろう。

 今後、花が終わればまた鉢替えをし、夏の間肥料を少し与えれば良いそうである。まだ育て始めて一年未満なので全然専門家とは言えないが、もし、贈答用に貰ったりしたものなら、諦めず育てると立派な花を咲かせてくれるものである。