靖国問題

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 靖国参拝の件、少し書く。

 中韓の反発にあう日本。日本国内にも、靖国神社の否定論、肯定論がある。しかし、その問題も国内では風化しつつある。その理由の第一は、やはり戦争体験者の高齢化である。また、60年代安保、70年代安保を過ごした全共闘世代は既に一線を退き、昔なら国会で論陣を張った、社会党の代議士も今はもういない。

 その中で、靖国神社の国内での受け止め方は、徐々に神社の一つでしかないという受け止め方になってくる。そして、その反対に、中韓の受け止め方は年を追うごとに先鋭化していると感じる。

 自分たちの祖先が受けた歴史的恥辱について、日本を非難することで忘れてしまおうとしているかのようである。しかし不思議なのは、やはり韓国である。

 日韓併合の歴史は、確かに日本が韓国を占領したと同じレベルだったかもしれない。しかし、その当時、日本の一部として戦争に従軍したのは事実である。日本の戦争に加担した国である。

 本来なら敗戦国としての義務を負わなければならないが、戦争に負けると同時に朝鮮戦争がはじまり、自分たちの国が分裂したのにも係らず、その流れの中で、自分たちが犯した戦争責任を放棄する理由に日本に占領された主張しているように思える。

 中国は、日本と戦争をしていた国であるので、日本の靖国神社参拝を批難する理由は理解できる。しかし、何故韓国までも批難に加わるのかが少し判らない。

 戦争にまつわることに関して、日本を批難すればそれだけで国民の溜飲が下がるとしか言えなく、近代国家を目指す国としては誠にお粗末な対応をする国である。

 

 靖国神社の件について、日本人の意識は、既に過去のものになりつつあるとは先に述べた。この先、大きなことが無い限り多くの日本人の意識の中から消えていくだろう。その理由の一つは、靖国神社の成り立ちを教える人がいなくなるからである。

 では日本人と同じように、中国人からそれが消えるかというとそれは考えられない。何故なら、国を挙げて日本を攻撃する材料にしようとしているからである。そういった教育が幼いころから行われているため、中国人の意識の中から消え去ることは無い。

 本来なら、戦後すぐから問題となっていた合祀の件も、今なら解決できそうだが、日本の右寄りのグループの人たちが、自分たちの思想のよりどころとするものとして靖国を利用しようと考えている節がある。

 反対に、今まで強硬に反対していた左寄りのグループの高齢化と共に、精力的には弱まりつつあり、その中で理由を知らない多くの国民が存在し様子を眺めつつあるというのが実情である。

 我々が、本当に靖国神社の存在を考えるなら、国会議員が大勢で参拝するようなことはすべきではないと思う。何故なら憲法で謳う政教分離の精神が損なわれるからである。無意識で行うのなら国会議員のバッチを外して参拝すべきものであると考える。それを基本から無視して行動するから外交問題に発展する。逆に考えれば、中韓を刺激するためにそういった行動をとっているともいえる。

 中韓についても声高に批難したり、外交問題にまで発展させるべきではないと考える。これはあくまでも国内問題であり、外国が干渉すべき問題では無い。その理由の一つが、靖国参拝中に中韓を貶める行事が含まれていないからである。

 しかし、この問題は、未来に禍根を残すことは間違いない。日本人にとって敗戦という記憶を消し去ろうとしている今、中韓が過去の戦争の記憶を残そうとしている行為は、今後も議論がかみ合わないまま平行線をたどることだろう。

 その問題が解決するのは、今生きている人間の大部分がこの世に存在しない頃だろう。そしてその頃には、世界の情勢も今とはまた違った状態になっているに違いない。