開花予想

 晴れ、日差しが暖かい。

 3月からの積算温度が何度になると桜が開花するとテレビの天気予報で言われ始めた。その根拠はとネットで調べてみると。「気象庁_桜の開花予想」というページに行き当たった。

 

さくらの開花日は、日平均気温から以下の式にあてはめて求めた「DTS(温度変換日数)※」を、積算開始日から積算し、所定量に最も近い値になった日とします。さくらの開花予想は、本式にこれまでの気温と今後予想される気温をあてはめて予想していました。

と書かれており、現在は行われていないようです。

 ただし、桜の開花と気温の関係は確からしく、一日の平均気温が徐々に高くなることで、花が咲くことは経験上誰もが想像できる現象であるが、それが式として表せるということらしい。

 ただ今年のように、寒い日が続いていても桜はつぼみを付けて花開くという事は、日平均気温の他に、他の要因、例えば日照時間の変化などが関与しているだろうと思う。

 また開花時期とは別に狂い咲きという現象がみられるように、そういった条件に当てはまれば季節を問わず咲いてしまうことも有るという事である。そのことは、桜の木を問わず四季の変化を感じ春の訪れとともに花を咲かせているのでは無いという事の証明でもある。

 だけれども温室などの特殊な環境にある場合を除いて、戸外に有る桜は、数日の誤差は有るが同じ地理的条件にあれば一斉に開花するのは間違いなく。それぞれの木が持つ体内時計もほぼ同じタイミングで同期されていると言って良い。

 自然現象に、必然は無い。科学や物理の実験と同じように、全く同じ値を出すとは限らず、誤差が生じる。それは、普遍と思われる自然現象にも何らかの要因が加わり揺らぎが生じる。それが人間にとって良い影響を与える場合もあれば悪い影響を与える場合もある。

 桜の開花も、農作業の開始の知らせであったり、その年が豊作であるか凶作であるか占われたわけである。

 稲作なら、昔の品種は今と違って気象状況に強い影響を受け、冷害の年は、必ず凶作であった。それを予想して、水田の水嵩を増したり、肥料の量を考えたりしたのだろうと思う。それは、一年の自分たちの食い扶持を確保するための切実な思いだったのだろうと想像できる。