気分は梅雨入り

 曇り、気温は13度と低い。

 

 5月に入り、ゴールデンウィークが過ぎ、月末になるにつれて徐々に気力が萎えてきているのを感じる。その症状の一つは、目の前に積まれた案件を先延ばししてしまおうとする心である。

 普段なら、早く楽になろうという気持ちから、仕事が溜まらないように処理しようとして時によっては夜遅くまで残り仕事を片付けていたのだが、その気持ちが薄れてきた。

 何となく、新入職員の5月病みたいなものが自分にも訪れたようである。ただこれが初めてというわけでもない。時たまだらだら過ごす期間が訪れることは有る。そしてこの原因が何なのかも判っている。

 多くの社会人は、組織に加わり多くの人とかかわりながら仕事をしているものである。そしてある程度の年齢になると自分で新しいプロジェクトなどを立案できるようになる。そして、その時の人間は、それを実行するためにアドレナリンを過剰に分泌して、一種のそう状態に心を持っていく。そうでなければこれから起こるであろう障害に立ち向かう事が出来ないからである。

 そのそう状態の時に、ストップが掛かると心は高揚しているのに実行できないストレスの反動で、思い切りうつ状態に落ち込んでしまう。丁度今がその時の状態になってしまっている。

 今の気分的な落ち込みと無気力を解消するためには、時間が過ぎるのを待つしかないと判っている。それが今までの経験上いえることで、また気分が普通の状態になるのを待つだけである。

 人生を長く送れば、こういった精神的に落ち込むことは容易にある。若いころなら、部屋の壁を殴って穴を開けたり、夜中に車を飛ばして覆面パトカーにスピード違反でつかまったりと色々あったが、今の年齢でそれをしていたら目も当てられない。これを書いている内にも、そういった若い時の恥ずかしいことが走馬灯のように浮かび上がり、一人赤面してしまう。

 きっと人は、こういった時に逃げ道を考えておくことが必要なのだろう。例えば、何時でも会社を辞められるように自立できる資格を取るとか、或いは趣味の世界の中で別な自分を作るとかだろう。そうすることで容易にそこに逃げ込むことができるからである。

 若いころは、そういった所に逃げ込むのが一番の解決方法だろう。家に閉じこもり鬱々していても解決に時間が掛かりすぎる。それが長引けばニートになる可能性も出てくる。そうしないためにも日頃から自分の逃げ道を何個か用意しておくと楽だろう。

 年を取ってしまった場合は、こう簡単に行かない。自立できる資格を持っていても、そこから新しく人生をやり直すには背負っているものが多すぎる。子供の教育、老後の心配などで、二の足を踏むことが多い。そのため、自分の気持ちを無視して仕事をするしかなくなる。さらにある程度の年齢なら下に部下がいることだろう。そんな上司の下で仕事をするのが楽しいとはとても思えない。

 結論は、やはり時が経つのを待つしかないということである。