泊再稼働

 雨、気温は20度くらい、湿度は高い。

引用 日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXNASFC0800J_Y3A700C1L41000/) 

 北海道電力は8日、泊原子力発電所1~3号機(泊村)の再稼働に向けて原子力規制委員会に安全審査を申請した。国内で最新の3号機を優先して審査するよう要望。関西電力大飯原発福井県)の審査を参考に、事故時の対策拠点で新たな取り組みも打ち出した。敷地内の活断層については改めて問題ないとの認識を示した。今後は安全性確保を求める地元自治体への説明も必要となる。

 北電にとって泊稼働は、会社の存亡を掛けたものだと思う。このまま、不足分の電力を火力で発電し、さらに自然エネルギーで発電した電気を買電しなければならないため、電気料金に転嫁しなければならないのは確定済みである。

 一般家庭で使用する電気量は、それほど大きな量ではないためあまり問題とならないが、一般事業者などの大口取引先の電気使用料金は、量が多いだけに電気料金の値上げは目に見えて大きなものとなる。そうなれば、今後の電気事業の競争が始まろうとしている時だけに、なるべく電気料金は上げたくないところだろう。

 泊の原子力発電所は、1号機が1989年、2号機が1991年、3号機が2009年となっている。1号機で、24年、2号機が22年、3号機は3年と他の電力会社が所有する原発と比較して年数が新しい。50年稼働するとして、まだまだ使用できる状態である。

 原発のコストは、廃炉を前提としていないと言っても良いし、廃炉を前提として建設していない。その証拠としていまだに廃棄物の永久処分場問題がかたずいていないことがあげられる。ハッキリ言ってしまえば見切り発車のまま稼働し続け、未来の人間に処理をお任せする状態である。

 その状態で考えれば、先送りしたことは考えないという状況にある中では、まず使用しなければ利益を生まないのだから、会社にとって稼働することが前提で、このまま廃炉にしてしまえばそれだけでつぶれてしまうだろう。

 以上は、北電の側の考えていそうなことである。それに対して、北海道の住民はどう思うのかという事である。まず、今の原発に危険性はあるのかという事である。

 一つは、今回のような自然災害が起きて原発が運転不能になる可能性がどれ程高いのか、もう一つは、何らかのテロ行為により破壊される恐れは無いのかというのが現実的な問題になるだろう。

 原発停止するような自然災害が日本海側に起こるかというとまず起こらない可能性が高い。奥尻で起きた地震が泊の周辺で起きればその可能性もあるが、状況的には起きにくいだろう。

 もう一つ可能性があるとしたら、周辺国との紛争によりテロ行為を受ける可能性があるが、これも可能性としてあるが実際起きるかというとあまり考えられないことである。

 物理的な破壊が無ければ、大きな原子力事故は起きないだろう。そう考えれば稼働することについて大きな問題は無いのではないだろうか。

 住民が不安に思っていることは、今回の福島のように放射能が飛散して被曝することである。丁度泊は北海道の西側に有り、風向きとしては西寄りの風が吹くためもし事故が有れば石狩、胆振まで到達するだろうことである。

 その可能性をゼロにしなければこの問題は解決は不可能になるだろう。そして、全くゼロにすることは不可能であるから、この話は永久に終わらない。

 この問題の解決方法は、稼働するかしないかの状態で、稼働するなら安全性の担保、稼働しないなら電気料金の負担という事になるだろう。電気料金が上がっても文句を言わない消費者ばかりなら問題が無いが、電気料金が上がるなら反対という立場の人が大勢いるだろうから、稼働を全くしないという選択肢も困難があるだろう。

 やはり、一端再稼働後、電力事業の自由化を目指すべきだろう。もし、原発が安全性や廃炉費用で非効率となるなら、参入する発電事業者は、原発以外の発電を選択するだろう。北電もこの先、原子力に頼っていても競争に負けると知れば、結局廃炉を選択するしか方法は無くなるからである。