札幌勝利

 曇り、気温も20度くらい。

 土曜日の、松本との試合、ワントップの先発は、三上だった。しばらく試合に出ていなくて、初先発で上手く機能して次の試合も先発かと思ったら控えだったので、監督の気も変わったかと思った。

 財前監督は、相手に合わせて先発を変えるような事は殆どしない。常々調子の良い者を使うと言っているので、それは開幕から変わらないのだろうと思うが、このところ、怪我などの故障明けから復帰する選手が増え、その気持ちも変えざる負えないようになってきているのだろう。

 

 素人将棋でもそうだが、使える手駒が増えると、気持ちが大きくなり持っている駒を積極的に使おうとする。それは詰めを考えているわけでなく、何となく使いたくなるものである。素人将棋と同じにするつもりはないが、同レベルの選手で、体調も同じなら相手の戦術に合わせて先発を変えるような気持ちが出てくるものである。

 そういう意味で、砂川を先発で使い続けるのも、気の利いたパスやシュートにつながるようなセンタリングを上げられる能力が他の選手より優れているため、守備の能力や持続時間が多少劣っても変えることのできないピースであると考えているのだろう。そして、変えることのできないピースの選手に杉山と内村が居る。

 杉山は、曳地と比べやはり安定していると考えているのだろう。内村もそういう意味でエースの扱いで故障が多いがでられれば最優先で使うという方針がある。他は、河合もいるが長期離脱しているためもう既に先発の選択肢に入ってこない可能性がある。

 上の3人以外の準レギュラーとして、上里、宮澤、上原、荒野、怪我が治れば深井も含んだ5人だろうが、この辺りはまだ不動では無い。その分、競争という意味では激しいものがあり、実力的にはみんなどんぐりの背比べのような所があり、この一年でどれだけ伸びるかが問われている。

 そして、ここに来てその準レギュラーの位置に三上が入り込もうとしている。三上の良い所は、ワントップでボールが収まることである。それは今の札幌の選手の中で一番かもしれない。まだ得点が1点どまりだが、得点を今後重ねることができれば不動の先発の座を射止めることが可能だろう。

 ただ今に上げた選手たちの能力は、やはりまだJ2レベルである。昨日あった東アジアカップで出場した今のJリーグの代表クラスと比べれば、パススピード、正確性、トラップの技術は比べようもない。その実力差は、かなりあり、まだまだと言わざる負えない。もし札幌がJ1に定着するクラブになるには、そういった選手の基礎能力の向上がどの選手にも求められる。それが出来なければJ1に上がって直ぐ落ちるチームにしかならない。

 今年は、まだそのレベルに達することが出来なくても、1,2年で達成することが必要にはなって来るだろう。できるなら今年中に、パススピードを上げてプレーできるようになればと思う。

 試合は、4-2と圧倒できたが、相手の松本の選手よりどこが優れていたかと言えば、パス回しだろう。相手のプレッシャーが弱いという条件が有ったが、徐々に選手間の意思の疎通が見られるようになってきた。ある程度回すことができるのだから、後はもう少しスピードを上げることで、引いた相手の守備を崩す可能性を上げることである。

 今の札幌の財政から言って、もう一段早く上げないと、有望選手が次々と他のチームに移籍することが続き結局位置からまた作り上げるという繰り返しをこの先も続けなければならず、その内、どうにもこうにもやって行けなくなる可能性が高い。