福島

 曇り時々晴れ、気温は17度と低い。それでも朝走るには丁度良い気温である。

引用 共同通信http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013082601002140.html) 

茂木敏充経済産業相は26日、東京電力福島第1原発を視察し、地上タンクから約300トンの高濃度汚染水が漏れた現場などを確認した。視察後、記者団に「タンクの管理をしっかり行ってこなかったことに大きな問題がある」と述べ、巡回強化など五つの対策を実施するよう東電に指示したことを明らかにした。

 また増え続ける汚染水対策について「国が前面に出る必要がある」とあらためて表明、実現可能か検討が進められている1~4号機の「凍土遮水壁」に、予備費の活用を検討していることも明らかにした。国が講じる具体策は「今後検討する」とした。

 事故当時、当時の内閣は、東京電力に対して相当な不信感を持っており、逃げ得を許さないために事故の全責任を取るように命じたはずである。しかし、そもそも一企業の中に事故対策の専門家がいるわけでもなく、今までの対策は、将来を見越した対策とは言えなかった。

 この時期に来て国が責任をもって対策に当ることになったが、この先この汚染水の処理作業は、国の重荷になることは間違いない。現に外国から福島の汚染対策が不十分なために環境汚染が広がっているという抗議がある。

 また、今回の事故の責任は東京電力という事で、もし東京オリンピックが開催するとなれば、同じ東京ということでイメージダウンは必至である。

 今回の汚染水タンクは、一時的保存場所であり、永久にこのタンクに汚染水を保存していくことは不可能である。また大きな地震が来れば汚染水のタンクは損壊してしまう可能性もあるかたである。また材質が鋼板であるので腐食すればそれだけで水が漏れるわけであるから、何時か抜本的な対策を施さねばならなかった。

 対策としては、今回の汚染タンクの放射性物質を限りなく濃縮して余分な水を減らす必要がある。もしそれが可能になれば放射性物質の容量が格段に減り、小さな容器で保管できるからである。

 その技術を東京電力が持っているはずもなく、やはり国が事業としてバックアップしなければならない時期が遅かれ早かれ訪れたはずである。ハッキリ言ってしまえば遅すぎたという事だろう。

 水に放射性物質が含まれていれば当然環境汚染の頻度は上がる。放射性物質を固形化すればそれだけでも環境汚染は減らすことができる。

 今、福島で土壌の除染を行っているが、必ずしも上手く行っているとは言えない。もしその除染費用を他の土地への半恒久的な避難場所の建設に使えれば市や町が消え去ることは無かった。あの当時そんなことを口に出すこともできなかったが、今ならそういった将来の建設的な意見が言える時期に来ているだろう。

 ハッキリ言ってしまえば、汚染地帯は、今の除染方法で除染を行ってもあまり効果は無い、一番効果があるのはやはり時間である。その時の流れの中で放射線量を減らすしかない。当然その期間は100年単位の時間に成る。

 そのなかで歴史や人が消え去る前にきちんとした疎開をして住民の団結を求めるべきだった。

 それを言い出せる首長が存在しないことが今の現状だろう。そしてそれをしてこなかったために住民は、もう戻る棲家を失ったともいえる。それは、国後択捉の住民が日本に戻り、何世代か経つうちにバラバラになり故郷を失った状況とおなじである。

 人を繋ぎとめるのは地縁血縁である。その地縁を失えば、残りは血縁だが、それも離れ離れに暮らしていくうちに徐々に薄れてしまうものである。

 あの災害が無ければ、きっと今でも穏やかな暮らしをしていたことだろう。でも今でも自然災害で人命や家財が失われるように、その一つ一つが歴史の綾のように生まれて行くことは、人類にとって必然である。その時どちらを向いて行動するか、それが運命の綾でもある。