シャドーバンキング

 晴れ。昨日の夜中まで降っていたのに、朝方太陽の光が部屋に差し込んでいるのを見て慌てて起きた。寝過ごしたかと思ったからである。寝過ごしてはいなかったので安心した。それ程眩しい太陽の光が差し込んで、昼かと思うくらいである。

引用 日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXNASGV16002_W3A810C1000000/

(2013年8月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 米ゴールドマン・サックスエコノミストが世界各国の顧客に中国の信用バブルのリスクを説明したいときには、厳しい見方で知られる英米格付け会社フィッチ・レーティングスのアナリスト、シャーリーン・チュウ氏に取材する。

不良債権処理で10年以上の実績

個人向け高利回り商品の返金を求めて金融機関の前で抗議する個人投資家。今後、「影の銀行」問題の影響がどの程度広がるかは不透明だ(昨年12月、上海市

 チュウ氏は中国の「シャドーバンキング(影の銀行)」問題の専門家で、同国の負債規模が国内総生産(GDP)の200%に達したと分析。シャドーバンキングが地元の銀行に与える影響は大方の予想をはるかに上回ると警告している。

 先月頃から話題に上るようになった、中国のシャドーバンキングの件、一時は、中国のバブル崩壊の引き金を引くとも言われているが、さすが13億人が暮らす国である。表だって影響が出ている様には見えない。

 シャドーバンキングは、いうなれば闇金融という事に成る。闇金融というと聞こえは悪いが、その資金は、金融機関が国民に売り出す理財商品という債権のようなものを売ることで得ている。その債権の利回りが上がれば購入者も増えるが上がれば上がるほどハイリスクハイリターンになるのは、どの金融商品も同じである。

 その獲得した資金を高利で貸出、回収しその利ザヤで稼ぐ仕組みになっている。素人でも判るように、入りと出が均衡していればその利ザヤは永久に確保することができる。しかし、一端入りと出のバランスが崩れると崩壊の一途をたどるのは、最近の安愚楽牧場の詐欺商法に通じるものがある。

 今回、破綻しそうと恐れられているのが中国の地方の省の借入の返済が滞るのではないかという点である。もし、貸出先が次々と破産してしまえば、債権を購入した人たちに対して高利回りを保証できなくなり、解約返金という流れが起きる可能性がある。手元資金が潤沢であれば、その解約も問題ないが、債権購入者の資金がそのまま配当の資金に充てられるようになると破綻は目前である。

 その余裕がどれ程あり、その猶予期間の間に中国経済がどれだけ持ち直すかがバブル崩壊するかしないかの瀬戸際という事に成る。

 このシャドーバンキングの問題、中国という対岸の火事のように思われるかもしれないが、実は日本も同じような問題を抱えている。それは国債である。日本の国債も国の経済が回り、確実に償還していける資金が国に有れば問題が起きないが、一端、国の経済が破綻すれば、国債の価値も無くなってしまう可能性がある。

 これも日本の経済が順当に回っていれば問題ないのは、中国と同じで、それが回らなくなった時が大変である。ただ中国と違う事は、国が金庫番をしているという事である。少なくとも管理はされているため、そういった危険領域に達して国債が紙くずになったとしても日本国というものが存在している限り最低限の補償は有る可能性がある。

 しかし、中国のシャドーバンキングの場合、もし債権が紙くずになっても誰も補償はしないし、助けてくれるわけでもない。そういった事態が起きれば中国政府の介入がある可能性が高いが、その対応期間中国経済はマヒするだろう。

 

 動く車は倒れない。どんなにタイヤから煙が出ようと一端加速がついたものは、倒れるまで走り続ける。そして力尽きた時に突然倒れる。その力の限り加速する車にどうやって修理人が乗り込み、動いている最中に手当てができるかという状況にあるのは間違いなく、それを傍の人は黙って見ているしかない。

 それが遠く離れた対岸の火事ならまだしも、火の粉が当然降りかかるし、突然倒れた車の部品が燃えたままこちらに飛び込んでくる可能性もあり、おちおち寝ていられない状況がこのまま続くのであろう。