天皇杯

 曇り、今にも雨が降りそうな空模様である。気温は13度くらいありまだ寒くは無いが、明日からは冷え込みが厳しくなり峠では雪も降るらしい。

 天皇杯の磐田戦、札幌が勝利したが、この試合は選手たちにとって少し自信になったに違いない。J1勢と戦って久しぶりの勝利だからである。

 こういった明らかに格上と戦う時、チームは戦いやすい。何故なら下馬評が高くなく負けてもそれ程非難されることもなく、勝てばジャイアントキリィングと呼ばれ褒められる。選手たちにとって気持ちの持ちようが違う。

 

 そして試合を見て、本当に磐田が弱くなったとい事である。あれ程強かった時代を見てきただけに後半の相手の攻撃の迫力の無さに拍子抜けしたものである。

 思い出すのは、厚別での試合、札幌がリードしながら、高原、中山コンビで見事に逆転された時のあの必ず逆転するぞという気迫が見ている者にも感じさせる。本当に王者の試合だった。

 

 あの試合の磐田の迫力は、どんなに頑張っても越えられないと思わせるようなものだった。だけれども日曜の試合は、その王者の貫録を失い、相手のチェックに慌ていなすこともできず、ゴール前ではシュートを打たない選手ばかりで、あの前田さえ存在感を感じさせないというのは、昔を知っている自分としては残念な思いである。

 

 あれだけ常勝を誇ったチームも、世代交代に失敗すればあれ程弱体化する。それは現在J2にいるガンバ大阪にも言えることで、遠藤、今野などのベテランが居なくなればJ1に行っても苦しい戦いを強いられるだろう。その下の成長が無ければ組織は崩壊する。それはどの組織でも同じである。

 コンサドーレ札幌の若手を見ていると、つくづくこのままいけば何年か後にはJ1で常勝チームに成れる可能性があると思う。それは、磨けば光るダイヤの原石がボールを蹴っているようなものである。そのまま光ればきっと素晴らしいチームが生まれるだろう期待感である。

 今年は、J1への昇格は限りなく期待が薄くなってしまったが、このまま成長すれば来年はきっとJ1昇格も夢ではないだろう。