日本代表

 雨、風は強くないが、気温は5度もない非常に寒い。

 台風は、午後には温帯低気圧に成るそうだが、夜中まで雨は続くようである。そして山間部は雪だそうでもう冬だなと感じる。

 昨日の夜は、日本代表のサッカーの試合があった。それを見ていて思うのは、少しチームの歯車が狂い始めたのかなというところである。何が足りないかと言えば、チームを背負い込むキャプテンの不在だろうと思う。

 チームキャプテンは、長谷部なのだが、試合中はチームの動輪にはなっていない。ボランチという位置はゲームを組み立てる基本なのだが、その中心で攻守にわたって力を発揮できていない。そのためか、守備も甘い所があるし攻撃に変わる際のパスミスも少し目立つ。彼の著書に心を整えるという本があるが、彼自身整えきっていない様子が画面を通して伝わってくる。

 

 そしてその一番悪い面が出たのが、ベラルーシの得点シーンである。相手の波状攻撃を受け跳ね返し続けクリアしたように見えた場面で、選手全体がほっと気を緩めたその隙を強烈なミドルでシュートを決められた。もう少し寄せてしかるべきのところで棒立ちになった姿は、この前のセルビア戦にも見られた場面である。

 サッカーは、ゴール前で気を抜くとそこで相手に付け入る隙を与え得点につながることが多い。それはまさにゴール前の全員が意識を共有しているかのように全員がそうなってしまう。

 それは、人間の気を抜くタイミングが大凡等しいという事だろう。そのタイミングをずらすかあるいは完全に気を抜かせないような訓練が必要だろう。

 例えば、急な壁面を昇る登山家が、少し休める場所を見つけ体を休める場所に着きほっと一息ついたときにミスをするような場面である。本来なら休める場所は、本当に身の安全を確保できる場所でなければならないが、それが余りにも今まで危険な場所に身を置いていたが故の錯覚で、少し危険が減っただけの場所がそれ程安全ではないという事である。

 試合中、ゴール前は常に危険地帯で気を抜く場面は無いと考えてプレーしなければならないのだが、人間は、その緊張が途切れた瞬間(プレーが切れた時間帯)に気を緩め、それがまた開始されたとしても気持ちが直ぐに戻らない。

 それを克服できたチームが本当の強いチームなのだろう。その域に日本代表が達していない。それは来年開かれるワールドカップまで克服できるかという大問題でもある。この先も選手の入れ替えが予想されるが、その都度チームの結束が必要になる。それはまさしく砂でお城を作り上げる地道な作業である。