報道と情報

 晴れ、気温は5度くらいと低いが朝日が上がり徐々に上昇してきた。


引用 毎日新聞http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20131019ddm041040151000c.html) 

 東京電力は18日、福島第1原発で高濃度汚染水約300トンが漏れた地上タンク付近にある地下水観測用井戸から、放射性物質トリチウム三重水素)が1リットル当たり79万ベクレル検出されたと発表した。10日に測定した同32万ベクレルの約2・5倍で過去最大値。この井戸からは放射性ストロンチウム90などほかのベータ線を出す放射性物質も、過去最大値の同40万ベクレルが検出されている。いずれも17日に採取した水を調べた。

 この記事を読んで新聞は正しく報道できているか?という疑問が沸く。それは毎度のことなのだが、常に記事を探すためあたかも今まで気付かなかったように記事を書く、本当に報道とはそういうものなのか、これはどの新聞社も同じである。

 今回の福島原発原発廃炉放射能汚染対策、開始当時から危ういことは重々承知していたはずである。今まで経験したことのない規模の放射能汚染事故であり、更に不味いことに破損した燃料棒を冷却するために更に汚染水は増加し続け、原子炉建屋の地下にある汚染水は地下にダダ漏れしている状態での作業は、簡単では無い筈である。

 福島の除染作業も効果は無いとは言わないが、作業を行っても行わなくてもあの地域の放射能濃度は減少していったはずである。それは、最初から知っていたはずである。その除染作業の有効性を非難せず、朝日新聞などは作業員の杜撰な作業を記事にする。そもそも、除染作業自体が意味のないものだという事を記事にしない。

 原発からの汚染水も、あれだけ大量の水を冷却のために投入し、流れ放題にしている状態で地下に浸透しない訳は無い。一部は回収して再度冷却に使用しているらしいが、回収できなかったものは他に漏れているという事である。

 

 あたかも、今回重大なミスで汚染水が漏れ出したと騒いでいるが、そもそもその処理自体、専門家が作業を行っているわけでは無い。ああいった高濃度の汚染水の処理には、少なくとも知識が必要である。更に放射線障害防止法という法律があり今までそれに沿って厳重に取り扱われていたはずなのに、今では何の知識もない作業員が命令されるまま作業を行っている。

 例えばであるが、放射性同位元素で汚染された場合、それが広がらないように除染し更にそこに人がみだりに立ち入らないようにするようになっているのだが、既にその状況では無い。(事故などの重大な場合は除かれるのだが)すでにその原則からは遠く離れたところで作業を行っているのが現状である。

 本来なら、今回の汚染水の問題は、今回の作業中は当たり前に起こりうることで、今回のように台風による大雨で大量にまた拡散しているだろう。

 そういうように試行錯誤しながら作業をしているが、日本全国の専門家が力を合わせたものでは無く、東京電力に全てお任せ状態にしたというのも解せない。少なくとも東京電力は解体し、それから国直轄で作業を行うべきの物だった。そこに原子力村の力が働いたとしても、もう既に原子力発電の有効性は日本では無くなりつつあり、今後、原子力村の力は徐々に力を失うだろう。今後できることは廃炉作業のノウハウを身に着けて世界至る所にある原子炉の廃炉作業を専門に行う力を身に着ける場だと考えて作業を行うしかない。

 事故直後の、直ちに健康被害に会うレベルでは無いという大本営発表に協力し記事を書いてきて、その健康被害がどのように起こるのか誰も知らない状況でそれが本当のように記事を書いてきた。実際、大きな健康被害が現れていないが、晩発生の放射線被害は、10年20年スパンで起こる影響でありこの先現れてくるものである。10年20年後に日本人の白血病発生率が上昇すればその時に今回の事故の被害というものが判る。直ちに心配することは無いが、10年後20年後に被害が現れると報道すべきだった。

 福島原発の事故処理も、その作業中には、必ず環境に汚染が及ぶのは当たり前なのだと記事にすべきだったのである。

 正しい情報を伝えるための過程で何らかのフィルターが掛かり、記事がオブラートに包まれることが当たり前になっては報道機関の使命を果たすことは永久に困難である。