秘密保護法

 晴れ、アスファルトの水たまりに氷が張っている。気温は1度。今日は夕方から雪らしいが、この辺りはまだ根雪には早すぎる時期である。


 衆議院で秘密保護法が通過した。与党の強行採決だった。

 秘密保護法の要点は、新聞などで詳しく載っているのだが、普通に暮らす人たちにとってピント来ない部分があると思う。直接自分には関係ないだろうという感覚である。

 秘密保護というのは、主に行政機関が持つ秘密である。その種類は、防衛、外交、スパイ活動防止、テロ活動防止の四分野で、最長60年間秘密として指定できる。

 この法律の影響で大きなことは、国民の知る権利というところである。マスコミなど、今までのように政府内の秘密文書などをスクープとして公開できないという事に成る。行政に対するマスコミの抑止力が働かなくなる。

 この法律の切っ掛けは、日本国内の機密の取り扱いがずさんだったという事である。その一つが自衛隊から漏れた防衛機密であることは皆さんもご承知だと思う。

 日本の自衛隊には、日米安保条約の元、米軍関係の機密事項も当然流れてくる。しかし、その管理は杜撰であり、同盟国として見過ごすことのできない問題である。そして当然アメリカからそういった機密に対する保護をきちんとしなさいという圧力が有ったのは想像できる。

 最近、世界でも重要な国家機密と呼ばれるものが流出してスキャンダルを起こしている。ウィキリークスであり、スノーデン氏の件でもある。幾ら重要機密としても、インターネットの発達は、その情報セキュリィティの壁を易々と乗り越えてしまう。それを完全に防ぐことは不可能だから、そういった事を行った犯人を捕まえ、その根元にある組織を壊滅することで抑止力にしたいということである。

 そうだとしても、国家を上げての情報収集や、テロ組織に対しては何の効力も無く、漏れるのを防ぐのが精一杯だろう。更に、コンピューターウィルスのような、故意に漏らそうとしていなくとも結果的にそうなってしまうことが起きうる現実に対して何の効力を持たないことも事実である。

 ある種の犯罪を予防するために、本来なら国民に知らせなくてはならない事実もこれによって隠ぺいされる可能性は強まることも事実である。

 

 この件で、猪瀬都知事の問題も隠れ気味である。新聞も両方を追いたいのだけれど、自分たちの利益からすれば秘密保護法が大事である。一兎も二兎も負えない状況にあるのだろう、日本の新聞社の取材力が年と共に低下していることが良く判るこの頃である。