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 晴れ、気温はマイナス10度くらい。南西の空には上弦の月が浮かんでいる。まるで骸骨のような月である。

 今日は、クリスマスイブという事で、丁度景色はサンタがそりを引いてくるようである。今年も残りわずか、毎年のことながら師走という名にふさわしく何事もせわしく過ぎ去って行く。


 テレビや新聞には流れないニュースというものがある。或いは、ニュースとして流れるがそれが一報だけで続報が無く消えてしまうというものである。

 例えば、大きな重大事故があり、その他のニュースを報じるスペースや時間が無くなってしまうということが起きるが、それはたまたまであり普通ならなぜこの話題がというのも多い。

 その一つが、マスコミ系の事件である。巨大新聞社の身内が起こした事件などは、必ず一報だけで消えてしまうという暗黙の了解事項があるようである。それは、原子力村が身内に対して甘かったように、マスコミの中にも共同体が存在し、そのなかで暗黙の了解が起きる。

 もう一つは、マスコミに常時広告費というものを出している企業である。ただし、それはニュースの価値でお互いを切り捨てるという事は起きるので、それ程多くは無いが、広告費の多寡でその扱いは変わる。

 

 もう一つ特異的なのは、芸能事務所の話題である。不祥事の報道は、その芸能プロダクションの力によって報道されるされないが決まる。その関係は、マスコミが話題の無い時に記事の隙間を埋めるために何か話題を提供してもらうためにお互いが持ちつ持たれるの関係になっているから、都合の悪い話題は、いつの間にか消えてしまうという事が往々にして起きる。

 ニュースも、必ずしも全てが知りたい人に伝わるわけでは無い。伝える伝えないという部外者によっては見えない神の手でコントロールされているように見えるだけである。

 平和な時代が続き権力構造が強固なものに成れば成る程特権階級が出来上がり、その制度を強化していく。それを壊そうと考えるものは、なかなか現れない。壊そうとする者は異端であり、社会から弾かれていく。

 

 北朝鮮のようにその制度を維持するために内部の反乱分子は粛清され排除される。日本も同じである。自分たちの同族種の中に異物が入れば排除しようとする力が生まれてくる。それは止めようもないものである。人間の遺伝子に備わる避けがたい機能の一つであるからである。

 

 だからその特権階級や格差を破壊するために歴史は度々革命を起こすのである。その遺伝的に守られた種族を守ろうとする力が働きすぎると、今度は種そのものを破壊して生まれ変わろうとするからである。その仕組みは今後も人類が存在する限り生き残って行くだろう。

 そして今までは、武力やテロで引き起こされた革命だったが、そういったマスコミ社会の仕組みを破壊する仕組みは、ネット社会に成るだろう。