カーリング

 晴れ、気温はマイナス12度。

 オリンピックは、怖れていたテロ行為も無く順調に進んでいるようだ。その中で、注目しているのはカーリングである。

 試合は、野球のスコア―ボードのようなもので得点を表示するのだが、ルールは野球と全く違う。野球のスコア―ボードのように考えると間違いで、必ず得点が入った場合、反対側はゼロに成る。あるいは0-0のスコアが入ることがあるが、概ねどちらが得点を取り、取った方が先攻に成る。

 そして昨日はロシアとの試合だった。ロシア側の声援は大きく選手の集中を切らそうとするが、その前の試合より小さくなった。何か観客に注意が入ったのだろうか?声援は休憩の時とかに制限されていた。

 カーリング会場は、コートが4面あり、同時に4試合が行われる。日本が韓国と初戦を戦っていた時聞こえていたロシアの声援は凄いというか酷かった。ロシアの試合を応援しているのは判るが、他の3面でも試合が行われているのに、あの大声援では、試合の妨害行為に近い。

 以前のオリンピックでは、観客の応援は控えめで、氷上のチェスと呼ばれるように真剣に氷盤上を見つめていたように思う。

 そのロシアとの試合は、お互いナイスショットと細かいミスがあり、試合の流れがどちらに向かうのか判らない状態であった。きっと選手も緊張の連続だっただろう。見ている方は、その難易度に気付かず画面の前で能書きを垂れるだろうが、あの氷のどちらに回るか判らない、滑りやすいのか滑りずらいのかそのエリアの状況を確かめながらだから、丁度、アイスバーンで車がスリップしてどちらに車が滑って行くかコントロールできない状況である。

 だから、あのスィープというルールを取り入れたのは画期的だったろう。もし、あれが無ければゲーム性は少し薄れ、ダーツと同じ状況に成り、あのストーンが滑る時間が試合をだらけたものにしてしまっただろう。それを救ったのが、スィープである。ストーンが氷の上を滑る時間、選手が氷を掃くことで見せ場を作る。手持無沙汰の選手を作らず試合をやっている雰囲気を作る効果をもたらしている。

 試合は、日本が逃げ切り勝利したのだが、本当にすごいことである。何故なら参加国の中で日本の世界ランキングは下から2番目であり、その一番下の韓国には初戦で負けている。ランキング通りに実力差が出るゲームならもう日本は一勝もできないはずなのにそうでは無い。

 今回の日本チームのように試合前に小野寺選手がインフルエンザで欠場するというアクシデントが有ったが、他のチームも色々な要因で不調に陥ってしまうし、ナイスショットが続けば実力が上の相手にも勝利できるスポーツである。ただし、やはりナイスショットの連続性でいえばやはり上位チームは割合が高いし、氷盤の求められる位置にストーンを止める力量もある。

 そういった実力差を超えた試合が序盤は続く。だから日本も2勝と勝ち越している。後半に成ると各国が氷盤の感覚を掴みそれなりに癖を覚える頃に成ると真の実力差が出てくるのだと思う。

 これからの試合は、氷盤の特徴を掴んだチームが勝利を得やすくなる。当然、ストーンを思った位置に投げれる実力差が表れてくるのも後半だろう。その中で、オリンピックに出てきた国は、当然実力はあるのだから、後は作戦が重要となる。

 面白いのは、これからだし、日本も圧倒される時が来るだろう。しかし、予選は予選である。まず4位以内に入ることが目標だから、予選通過の目安は6勝である。それを逆算すれば負けても良い試合はあと3つある。その中で試合を進めていくことが重要である。