ウクライナ

 晴れ、気温は朝の6時で零度だった。このところの晴天続きで、土埃が舞い少し喉がいがらっぽい。

 このところのウクライナ情勢は、要注意である。

 アフリカ、中東と続いた革命路線は、世界の至る所に飛び火し何処が燃え上がるか判らない。その中で、最近のウクライナの情勢は、今後の世界情勢の不安定化を更に進めるだろう。

 自由を求める革命は、得てして暴力的な思想の持ち主が入り込みやすい。最初は穏健派が多数を占めていても、その中の少数派であった過激派が何時しか力を持つようになる。その一つの理由は、組織が不安定だからである。

 人が集まれば集まるほど、人と人の距離は離れて行く。上の指示が末端まできちんと届かなくなり、末端の暴走を生む。末端で活動している人間は上からの指示に従ったというだろうが、その指示伝達経路で意図的な情報操作を加えれば最終的には違った意味に捉えられてしまう。組織というのはそういうものである。

 更に言えば、そういった情報操作は悪いことに利用しやすい。正しい思想は、そういった影響を受けて直ぐにでも灰色になって行く。

 今回のウクライナの騒動も、そういった色々な国の思惑が入り込み、誰が正しいことを言っているのか判らない状況にある。アメリカの意見が正しいのか、ロシアの意見が正しいのか、本当のウクライナ国民の意思は何処にあるのか不明である。

 今回、ロシアが積極的に動いているのも、ウクライナをロシアの友好国にしたいという利用だろうが、それとは別に、隣の国にそういった革命運動が起こることで、ロシア国内のロシアから独立を求める人たちに影響を及ぼすからである。

 できるなら、ロシア寄りの政権が安定して続いていれば良かったのだけれど、反友好的な国が出来てしまうと、そこから、チェチェンなどの自治区独立運動が過激化する可能性が出てくるし、その独立を認めなければならなくなる可能性も出てくる。できるならそれを排除したいだろう。

 アメリカにとっても、自由主義を守る世界の警察である自負が、その活動の動きを決めている。もしここで引いてしまえば、世界の警察としての地位が失われ、大国として世界に影響を及ぼすことが出来なくなるという恐怖心がある。

 いうなれば、アメリカ、ロシアとも自国の影響を最大限に考え行動していると言って良い。その中で面子と面子がぶつかり合う事に成れば、部分的な衝突もありうるし、更にエスカレートする可能性もある。お互いに引きどころを見極める情勢であり、今のウクライナ国内の先鋭化はあまり歓迎すべきところでは無いのは間違いない。お互いこれで戦争状態に巻き込まれてしまえば、どこまでエスカレートするか判らないからである。

 今、国連軍の派遣が検討されているが、それが上手く行くことを願うばかりである。