熊本戦

 晴れ、気温は16度。今日から衣替えである。

 昨日の熊本戦、CSで見た。

 試合は、監督辞任の影響か選手の動きが硬かった。これ以上負けられないという思いと、戦術的に名塚監督代行が指示したことの理解度が低かったのかその理由は判らない。

 このチームの弱点は、ハッキリ言うとDF力である。相手のボールにどこでアタックに行き、ボールを保持された時、FKの時など自分たちが引いて守らなければならない時、どうやって連携して守備をするかそれがまだ完成していないという事である。

 そのため、前線と守備の間隔が間延びし、そのためアタッツクに行く距離が必然と長くなり、その分体力を消耗する。それが何故か見過ごされてしまい、最近では後方からのロングボールをワントップに当てこぼれ球を拾うというやり方が主体になって来てしまった。

 前にボールを運ぶのに手数を掛け、相手の隙を突くというチームの戦術を変更してまで勝ちに拘ったという事に成る。そのボールを上手く運ぶ役割を果たすために獲得したのが小野選手だった筈が、最初の試合に上手く行った以外、それ以降、却って小野選手を経由することが極端に減ってしまった。その理由を知りたいくらいである。

 昨日の試合、このところゴールを上げられない荒野選手に代り、中原選手が入った。天皇杯などの良い動きを見ているので何故使わないのか疑問に思ったがここに来てようやくスタメンとなった。

 こうしてみると若手を何故試合に出させなかったのか前監督のやり方に疑問が沸く。確かにベテラン選手は手堅いが、若手は使ってナンボである。そこから大化けする選手が必ず出る。

 開幕当初使われた選手は、榊選手だったが彼が怪我で出なくなると、それ以外で常時使われたのは、奈良選手と荒野選手くらいだろう。それ以外は見事にベテランを中心に起用することになる。

 やはり、この先を考えるなら若手とベテランの融合しかない。どこかで手痛いミスをしたり、試合を落としたりするが、これまでベテラン中心に戦ってきても結果は同じだった。タラレバでいえば、若手を使っていても結果は同じである。

 これは想像だが、今シーズンJ1昇格の命題を与えられた監督は、それをプレッシャーと感じ目先の勝利に拘ったのだと思う。それが7月頃上手く行き始めたのに何故か8月に入って目論見は崩れる。それは選手の怪我であったり、体調の定価であったりするわけであるが、それに代わる選手を用意しておかなかった監督の采配ミスである。それまで上手く若手を試合慣れさせておけば代りに出せたはずである。現に昨日の上原卓郎選手などは、数試合使われていたおかげで難なく試合に入ることができた。経験は選手の成長に欠かせない重要なポイントである。

 試合は、札幌と熊本それぞれに有り、決めきれなかった方が負けた。

 そして、熊本と札幌一つの共通点があった。それはゴール前で何か相手を交わすアイテムを披露してシュートを打たなければならないという決まりのようなものを持っているという事である。そしてそれによりチャンスを逃す。それは、熊本側に多かったような気がする。

 札幌の得点は、そうでは無く外から頭で折り返し中に飛び込んだ選手が決めるという簡単な物からであった。確かに相手を崩し、格好良く得点を決めたいという気持ちは理解できる。

 しかし、それを決まられるのも本当に選手間のタイミングが合った時である。あのバルセロナの選手達の見事な技術をもってしても相手を格好よく崩して得点を取るのは10回に1回くらいの印象である。

 それが札幌だったら100回に1回くらいしか決めることは無理だろう。というかそれが今の現状で、試合を振り返れば格好よく得点を決めたシーンを思い出すことができない。

 さて、このチームが次期監督のもとどれだけ結果を残せるか蓋を開けないと判らない。シーズン途中のこの時期に監督交代という毒か特効薬か判らない注射をしたわけで、自分たちはそれが効くのか効かないのかをただ見守るしかない。