スコットランド

 雨、急に降り出した。気温は12度。朝起きた時は、朝日が眩しいくらい良い天気だったのが1時間くらいで空一面灰色の雲に覆われてしまった。秋の空は、移ろいやすい。

引用 ロイター(http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0HC1P420140917) 

スコットランドの英国からの独立の是非を問う住民投票が翌18日に迫るなか、17日明らかとなったパネルベースの世論調査では、態度を決めていない5%を除き、独立反対が52%と、独立賛成の48%を上回っている。

13日時点では、独立反対が51%、賛成が49%だった。

 このニュース、今日が住民投票の日である。もし独立すれば、第2次世界大戦後大きな連合体を組む事で自分たちの力を守ろうとしてきた体制が、反対に他者の負担をせず自分たち周囲の目の届く範囲の幸福を目指すという流れが一層強まるだろう。

 世界に豊かな国が限られ、その豊かな国の利益を分かち合う事で均衡が保たれてきた。徐々に世界に豊かな国になりそうな国が増え、その貧しい国との格差が激しくなり、EUの中でも富める国と貧しい国が混在し、EUの中で貧富の差が拡大していった。そして豊かだった国も、その貧しい国への負担が増すにつれ、自分の豊かな生活が脅かされる状態になり始めた途端、自分たちの生活を守ろうとし始める。

 スコットランドが独立を企てるのも、北海油田という資源があり、それを自分たちの物にすれば、その地方の住民が潤うという図式があり、更に昔からある地域間の争いの歴史が表に出てきたと言える。自分たちの生活を守るためという本質的な欲望を隠すための道具としてそういった事を持ち出しながら住民の意識を自分たちに都合の良いように使おうとしている人間もいるだろう。

 もし、スコットランドが独立したなら、経済的に豊かな、元から伝統的に対立していたところも後に続くようになるだろう。富める地域に住む人間は、自分の富を分け与えるのを拒むからである。それは、人間の欲望として誰でも持つ性である。

 例えば、それは自分の住む土地に金鉱が発見されそれを独り占めにするようなものである。頑丈な柵で囲み始めるようなものである。自分の土地にある金鉱を、勝手に他人が入り掘りはじめたらそれを排除しようとするだろう。そして、その掘り出した利益は、自分に入らず他人が全て持ち去るとしたらそれを理不尽と思うだろう。何らかの方法が有れば、自分の土地にあるものは、自分の物であると宣言し、自分たちだけで掘り、利益を上げたいと思うだろう。

 今回の住民投票は、イギリスだからできたというべきだろう。もし、そういった仕組みが無ければ戦争に成ったはずである。ただし、一度離れてしまえば、今後何らかの紛争が持ち上がった時、確実に戦争に成るだろう。

 ただし、それが過剰に進むと世界の秩序は急速に崩れていく。富める国は益々富み、貧し国はより貧しくなり、富の分配は進まなくなる。

 

 しかし、地域格差というのも今の日本に存在する。富める地域は、人と物を集め巨大化し始める。そして、地方の資源を吸い上げ益々巨大化していく。吸い上げら地方は、それなりに再分配を受け取るが、その隷属的な立場に我慢できなくなる。この日本にさえそういった格差が生まれている現状で、日本はこのままの国の姿であり続けられるだろうか。