民主党のトラウマ

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 朝のニュースで、消費税解散の話題が出ていた。自民党と野党という形で民主党の枝野氏の顔が映り、「政権交代の選択肢はある」とのたまわっていた。

 それを見ながら「どの口がそれを言う」と思ったのは自分だけでは無かっただろう。今の自民党は、数が居ながら一見纏まっていそうに見えるのも、底流で自分たちの特権階級を守るという点では意見が一致しているからだと思う。

 それに比べて印象が悪いのは、自民党を口撃する際に自分たちが行っていた政権当時の政策を例えてあげるからだと思う。きっと詳細に分析すれば良い点もあったのだと思う、しかし、政権奪取前の良い日本を創るための理想像が余りにも高く、実際政権運営をしたらその差が激しすぎたということである。

 更に言えば、民主党党内に一枚岩に成れる何らかのよりどころが全く無く、何時か空中分解するのではないというハラハラ感が半端なかった。

 それは、イデオロギーが異なる集団が集まってしまい、内部分裂をする左翼集団であり、その近親増悪が思想的にも近くても受け入れられなくなるという良くある内ゲバで内部崩壊した学生運動のような集団的怖さがあった。

 まさしく民主党は青臭い集団だった。

 それに反して、自民党は思想的には異なっても上に上げたように貴族階級の集団でありその特権階級を守らなければ自分たちのアイデンティティを喪失してしまうという危機感から最後の最後では団結するという逆の強さが存在する。それが長期政権の原動力となるのである。

 もし、野党が次の解散総選挙或いは、衆議院解散で自民党を逆転するには、やはり自民党のようにどこかで一つに成れる何らかの思想が必要だろう。それが無くては政権を任せられないと、有権者は思っているだろう。

 思想的に純粋な集団は、その理想と現実のギャップに自己崩壊するものである。その点でいえば、宗教政党である公明党などは、その宗教という思想の前で一致団結できる政党だと思う。如何せん単独政党で国民に受け入れられるヨーロッパのキリスト教のような圧倒的多数の信者が存在するものでは無く、そのもとで国民が納得できる政党では無い。

 このようにして考えると日本の政権を担うのは無思想の自民党以外存在しないのかもしれない。という結論に至ってしまう。

 民主党政権を担っていた際、福島原発のような事故が起こりそれが民主党政権の息の根を止めたという事実が存在するが、遅かれ早かれ任期満了の選挙で政権交代は有っただろう。しかし、その際、これ程までに議員数を減らさずに済んだのではないだろうか。

 民主党が今後政権を奪取するには、国民のトラウマを少しでも解消するしかないだろう。そのためには、前政権時代に要職にあった人物は舞台の陰に退き、民主党が変わったと思わせる人選が必要だろう。今のままでは、自民党政権の方が安定して見えるのだから残念ながら浮き上がる術は無いだろう。