日米野球とサッカー

 曇り、気温は5度。昨日は、雷と突風で被害がでたそうだ。自宅への帰途中、東の空に稲光が走り相当遅れて音が聞こえてきていたので丁度あの頃の出来事だったのだと思う。今週末は根雪に成らないが雪だそうである。


 日米野球が行われているが、あくまでも相手側はオフシーズンの小遣い稼ぎに来ているのだろう。野茂、イチロー、松井と日本でも大リーグ中継が話題になっていたが、近年その人気にも陰りが出てきている。アメリカの3大スポーツの一角であるベースボールも安泰では無い。直ぐには消え去らないだろうが、その一角にサッカーが入り込みファン層の取り合いが激しくなろう。

 何故ならアメフト、バスケは野球が終わってからが本格的なシーズンの突入でファン層は野球とかぶりにくかったが、サッカーはもろ被りになる。またアメリカは移民の国であり元々サッカーが盛んなヨーロッパ、南米系の移民も多い国である。その潜在的な需要は大きかったと思われ、ここに来て盛り上がりが大きくなり始めたようだ。

 更に言えば、アメリカは何でも世界で一番指向の強い国であるので、今のアメリカ代表の強さには満足していないはずである。国を挙げて強化に励むどこかの国と同じではないが、それなりのプライドがあるため自然と人気が出そうな所には人と金は直ぐ集まってくる。

 そうなれば、スポーツマネージメントに元々長けているため、興業ベースの切り口は日本も真似すべきものもあるため、今後野球を押しのけてサッカーがメジャーに躍り出る可能性もある。

 話は野球に戻るが、メジャー代表たちは日本へ真剣勝負を挑みに来ているわけでは無いのは間違いなく、日本に招待されたから来たというレベルである。そして来るだけで相当のお金を保障されているのだろう。怪我無く、面白く日本滞在を過ごせればという気分であるので、真剣勝負とほど遠い。逆に日本人選手は、大リーグ関係者に自分たちの実力を見せて今後の就職活動に有利になればと思っているかもしれない。特に投手陣はオフ期間中も練習を行いある程度体調を作ってきているだろう。日本代表の中から直ぐにでも大リーグ入りが決まる選手もいるかもしれないし、今までマークされていない選手でもリストに上がる可能性もあるだろう。それなりに真剣かもしれない。

 今後、アメリカのプロ野球は日本と同様に衰退していくだろう。それは世界規模の競争が存在しないからである。そして日本とアメリカだけの特殊なスポーツに成る可能性もある。ここ数年はサッカーの脅威にさらされる分野であることは誰もが理解しているだろう。それを判らないのは本当にぬるま湯に浸かった人間だろう。

 だからと言って日本で今後もサッカーが安泰かというとそうでもない。何らかのテコ入れをしなければ相当厳しいだろう。今後も47都道府県それぞれ毎にプロサッカーチームを作ることを目標にして進み、それぞれの地域対抗としての戦いに興味を持って行こうとしているのは間違いない所だが、その先が見えてこない。高校野球のようにおらが街の代表を応援しようという土台はできるがそれを支える運営資金をどこから手に入れるかが課題に成る。

 できるなら日本代表が国際大会で優勝を争うレベルに成れば、それなりにJリーグの実力も上昇しているだろうが、それにはまだまだ時間が掛かるだろう。

 

 実力が上がればお金が付いてくるかというとそうでもない。ブラジルやアルゼンチンの実力が凄くとも国内リーグの有名選手は、どんどんヨーロッパに流れ、一流は殆ど欧州リーグにいる。そして世界中のサッカーファンがその試合を見ようとお金を運んでくる。更にそのお金で一流選手を集めてくるという循環が続く。

 

 そのお金が循環することで国内リーグが活性化していくわけである。その循環をJリーグで起こせるかというと残念ながら無理だろう。その最大の理由が地理的要因である。朝と夜という時差が存在しているためそれに対抗するには試合開始を早朝にしなければ最大の顧客を手に入れることはできない。それは、日本の顧客を手放すことに通じるからである。

 もし行うとしたら、中国と連携したスーパーリーグの結成だろう。あるいはそこに東南アジアを加えても良い。ただ試合を続けるには移動距離が半端でない。やるとしたらチャンピオンリーグのような形に成ると思われるが、それも今の政治的状況の中では難しそうである。

 まずは、47都道府県に少なくとも一つのJのチームを作りあげることが先決だろう。プロ野球も同じである。今の12球団はプレミアリーグとして存在し、その下部に2軍を主体とした下部リーグを作りそこから選手を吸い上げるくらいで無いと隆盛は難しい。これだけ高校生世代に経験者が存在するのだからそれを利用しない手は無い。その資金は何処から手に入れるかと言えば、今の社会人チームを利用すべきである。半プロ半アマの選手を多く作りそこから本当のプロ選手を作り上げるという手法である。

 それには長年のプロとアマの対立を無くす手立てが必要である。そこにあるのは読売と朝日、毎日という新聞社の争いであるが、そんなことは無駄だと知るべきだろう。