福岡 戦

 晴れ、根雪は無いが気温はマイナス5度と冷え込んでいる。

 土曜に行われた試合、結果はご存知の通りでありプレーオフの権利が無くなった。

 この試合、思い切り札幌のバックの弱点を突かれた。その理由の一つは、守備間の距離が離れすぎていたことである。札幌の最終ラインは、攻撃時はワイドに開き両側はあたかもSBの位置を取る。そして中央は、ボランチのどちらかが下がりセンターバックと共にゴール前を固める。

 福岡の攻撃陣はこの手薄な部分をついてきた。札幌が前でボール保持をしていたなら福岡も前線に選手を残すことが出来ず下がらざる負えないが、中々札幌がボールを保持できず、都倉選手へのダイレクトパスに偏ったためマンマークに付いた選手に抑え込まれ簡単に福岡側にボールを渡すことになってしまった。そうなれば前線に残っていた選手がいる分札幌の守備の裏にボールを出せば得点機に繋がりやすくなる。

 そして、もう一つの理由が前半早々に札幌が先制点を決めてしまった事により、守りの意識が高くなり中盤が前に押し上げようとしなくなったことである。引き気味の相手に対して守る人数は少なくて良いので、福岡側は守備ラインを押し上げることができた。

 札幌も攻撃時は勇気をもって前に押し上げようと工夫はしていたが、常にゴール前に戻ろうとする意識が強すぎ、出足が遅れるためルーズボールの奪取に失敗する。そうして裏に出されると最終ラインンお人数が足りずボランチと攻撃的MFも後ろに下がらず負えず、徐々にゴール前を固めるだけに成る。

 ここで残念だったのは、セットプレーからの失点であった。相手のCKが都倉選手の頭に当り福岡の選手の目の前に落ちてしまった事である。あれが入っていなければという気もするが、あれだけ押されてしまえば同点になるの止む負えない。

 相手の攻撃時の跳ね返しなどは、後半の後半の守備をしているようなもので、前半のあのタイミングで行うべきことでは無かった。もう少し押し上げる勇気が無ければ来期も同じことである。

 その後、福岡に追加点を決められた後、何とか同点にしたのは良かったが、後半、相手の足が完全に止まったのに対して何度かカウンターのチャンスを逸したのは、実力不足としか言えない。これでJ1に上がればまたも最短でこう書くという事に成っただろう。

 

 来季は、少数精鋭でチーム編成を行い、優秀な外国人選手を連れてくるという事である。最終戦が残っているが、もう既に来季に向けて選手の選抜が始まっているのだろう。

 

 そして、松山プロジェクト最初の年、目立った選手は残念ながら出てこなかった。荒野選手はここに来て伸び悩み、途中からレギュラーとなった中原選手も突き抜けることは無かった。他の選手達も他チームにレンタルされたが目立った活躍はできず、一年目の成果が表れなかったことが残念だった。

 札幌で育った選手たちが、札幌のチームに加入したという安心感でそれ以上の伸びしろが無くなれば本末転倒である。入団のお披露目に語る、札幌をJ1に上げるという努力が継続されなければ育成もタダのお遊びである。

 短期的な考えは余りよろしくないと考える人もいるかもしれないが、このプロジェクトを成功させるには、短期的な成果を見せなければ連鎖していかない。それは、今年の大きな反省点だと思う。

 最終戦が残っているが、ドームに行こうか行かないか迷っている。更に来季いなくなる選手が多そうなので試合後は陰気くさくなると今から思っている所である。