新嘗祭

 曇り、気温はマイナス3度。


 再来週は、12月である。11月は、影が薄いように思う。9,10月は紅葉の時期、11月は山には枯れ木でうすら寒く景色は全てが冬前の枯れた姿で、色使い的に華やかさが無い。12月を前に心は何故か落ち着かなく、11月のありがたみなど無いようなものである。

 11月に心に残ることと聞かれても何も答えようがないのが正直なところである。もう少し、11月に気を使い何らかのイベントを国も企画すべきだろう。週末は、勤労感謝の日を含めた連休があるのだから、それを目指した何か行事が有って良い。

 今まで、勤労感謝の日だからと言って何か特別なことが起きるかと言うと何ら変わりは無い。却って11月の初めの文化の日と比べて行事が少ないように思う。

 勤労感謝の日は、旧暦でいう所の新嘗祭アメリカ軍に占領されて以後名称が変わったものである。丁度、農作物の収穫が終わり農家が一息つく時期であり、この日に合わせて農村では収穫のお祝いを行っていた。今でもその風習は残ってはいるが、少子高齢化社会の時代、跡取りが少なくなった農村では、そういった行事も年々寂しくなっている。

 翻って都会では、その時に何をするかであるが、サラ―リーマンが多く居るため、特にこの日が何かの節目にはなりにくく、日頃の労働を感謝するにしても、5月1日に労働者の日が別にあるのだから、労働組合関係もこの日に気勢を上げることは無い。

 日本が第一次産業から第二次産業へ比重を移し、更に第三次産業へと比重が移って行く時代にそぐわない風習なのかもしれない。かってそういう時代が有ったのだと後世に語り継がなければ忘れられてしまう祝日なのだろう。