選挙、争点

 晴れ、気温はマイナス10度。今冬一番の冷え込みである。

 衆議院選挙が始まっているが街中は割と静かである。選挙活動が選挙カーで候補者の名前をがなり立てるという手法から、人口が多い地区の集会所に有権者を集めて演説会を開くという手法に殆どの候補者が切り替えたためと思われる。

 そのため投票日までの間、一回も姿を見ずに選挙期間が終わるという事が多くなってきた。静かで良いのだが、有権者から積極的に情報を見る努力をしなければ誰に投票して良いか判らないくなったともいえる。

 今回の選挙は、消費税、原発再稼働、景気対策を争点とするらしい。特に原発再稼働は、今まで積極的に争点に成るのを避けていた部分で、自民党も積極的に再稼働を口にすることが無かったが、これまでの再稼働の遅れからいよいよ争点に上げなければいけない時に来たようである。

 東日本大震災の被害後、原発を稼働せず自然エネルギーを利用する方向へ舵取りをしたはずで、その開発に政府は積極的に投資をしてきた。もし、原発再稼働に成った時、その投資や技術をまた捨てることに成る。そういう意味で国民の審判が必要だと思う。もう少し自民党原発をエネルギーの根幹に据えるという点を選挙でアピールし国民に信を問う必要がある。それでこそ衆議院選挙が意義のあるものになる。

 自然エネルギーと言えば、アメリカも時を同じくして不景気を背景にオバマ政権は大きく舵を切ったはずなのに、その後出てきたシェールガスの開発が進み、化石燃料を逆に輸出する立場になった。それは大きな転換点であった。

 その流れから言えば、日本も自然エネルギーに舵を切ったが、アメリカに追随する立場ならまた大きく方針転換するのもうなずける。

 アベノミクス効果が余り発揮できていなく、円安が進む現状では、国内産業の構築もままならない。本来なら輸出産業の好景気に支えられ国内の景気が良くなる手筈なのだが、既に生産の拠点が海外に流れてしまっていてはその受けどころは無く、輸出すれば輸出する程、国内全体ではその利益を享受できない構造になってしまっている。

 更にその間の農業政策の無策から、後継者は少なくなり今後30年もすれば農家を継ぐ若者は皆無の時代が必ずやって来る。ここで壊滅してから、農業に民間資本を投入するのを自由化するのか、それとも早い時期に投入するかの決断に迫られている。既に部分的な緩和は進んでいるが、30年後に日本の農業を立て直すことを考えるより、今からそれを見越した政策を行う方が理に叶っていると言える。

 今後の農業政策をどうするかも争点にしなければならないはずなのに、それを主導する組織が高齢化し、大きな圧力団体としての力が弱まっている。そのせいで農協の解体が言われているのも大きな変化だと思う。

 14日に投票日を迎えるが、この先の生きて行く環境がどう変わるかを問う選挙だと思う。