曇り、気温はマイナス4度。

 地位は人を作ると言うが、逆に人をダメにする場合もある。

 良く言えば、周りが気を使うということなのだが、その気を使わすにはそれなりのフォローが必要である。自分だけ持ち上げられていてばかりいては、その下で支えてくれる人の気持ちが判らなくなるものである。

 その戒めとして、社長自らトイレ掃除をしたり会社の前の掃除をしたりするのだろう。中にはそれもパフォーマンスの一つとして行う人もいるかもしれないが、それをやらないよりはましである。

 気を付けなければならないのは、何時しか雲の人になり、下界を見下ろすだけになることだろう。そういう立場に成った多くの経営者は、堕落する。

 何故なら偉くなれば下界を見下ろすだけで自分で行動しなくて良いと部下が思うからである。上を見て部下は育つ。それは間違いないことで、その時に組織は腐ると思って良い。

 更に悪いのは、経営者が雇われあるいは出向とか天下りで来た場合だろう。何年かの約束で降り立てば10年後20年後の未来など語れるわけでも無く、部下はこれから20年、30年働こうという気持ちに同調できるわけは無い。

 サラリーマン社長と創業家社長の違いはそういう所にある。もし社長に成れる器が有れば、先が無いと判れば独立すべきだろう。そうして何十年も舵取りする道を歩むべきだろう。それがその下で働く者にとって幸せである。