跡を濁さず

 晴れ、気温はマイナス1.5度。日差しがあるため日向は気温より暖かく感じる。

引用 読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20150407-OYTNT50345.html?from=ycont_top_txt) 

 

セクハラ行為をしたとして女性職員から提訴され、8日付で辞職するとしていた大衡村跡部昌洋村長(66)が7日、村内で記者会見し、「騒動を起こしたことをおわび申し上げる」と謝罪した。セクハラ行為については否定し、26日投開票の村長選には立候補しないと明言した。

 跡部村長が公の場に姿を見せたのは、村議会を解散した3月17日以来、3週間ぶり。弁護士2人とともに臨んだ会見の冒頭、「18年9か月の村長としての仕事が終わる。村民を始め、多くの関係者におわび申し上げる」と頭を下げた。

 自身に対する不信任案を可決した村議会を解散し、その2日後の3月19日に辞表を提出したことについては、「可決される前から辞める決意だった」と説明。登庁しなかった理由を問われると、「体調がすぐれなかった」などと釈明した

 きっとこんな村が日本にまだあるとは信じられないことだと思う。村長を中心とした封建社会は、江戸時代の終わりと共に滅んだと考えている人が多いだろう。

 

 しかし、このような集団が日本のいたる所にまだ存在するのだろうと思う。人が集まる組織は、そのトップが長年務めれば務める程そういった組織になって行く。それはやはり少しずつ上の意向を伺う者がトップの周りに集まり、それに従わない者は遠ざけられるようになる。つまり、トップの周りにはイエスマンがばかりしかいなくなり、命令に逆らう者は存在しなくなるからである。

 そうしてそのトップが不在になった時、組織は崩壊する。それを補完する組織が有れば良いが普段からトップが居なくなることを予見して備えて置くところは少ない。そのためそれに代わる者が立て直すまでそれ相応の時間が掛かることに成る。

 果たして大衡村はその備えをしていただろうか。彼の異常な行動を止めることが誰もいなかったことを考えればそれはなさそうである。この女性が訴えなければこの異常な組織は、彼がこの世を去るまで続いていたのだろう。

 それにしても上に立つものに引き際は大事である。そして自分が居なくなった後の事を考えていないトップというのは結局無能なのである。100年生きる企業を自分の代で潰すのだから、それに尽き従ってきた従業員の人生を捨てさせるようなものだからである。

 これから就職を考える人は、就職しようとしている組織のトップがどのような人間なのか調べておいた方が良いだろう。ワンマンで30年以上会社を支えてきた人がトップなら、就職後その人が居なくなれば当然会社も傾くことを念頭におくべきだろう。

 

 その創業者がきちんと自分が居なくなった時の用意をしている可能性もあるので何とも言えないが、一番勢いのある所でその跡を譲る度量がある経営者でなくてはその先半分程度は無いと考えておいた方が良いだろう。