年金 生活保護

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引用 毎日新聞http://mainichi.jp/select/news/20150416k0000m040115000c.html) 

公的年金を減額する決定は生存権を侵害し違憲だとして、北海道の受給者142人が15日、国に決定取り消しを求めて札幌地裁に提訴した。原告は60~98歳の男女。全日本年金者組合が主導する全国集団訴訟の一環で、提訴は全国3例目。

公的年金の支給額は前年度の物価などによって変動する。訴状によると、国は2000~02年度、景気対策のため特例法を制定して支給額を据え置き、本来より高い「特例水準」で支給した。だが国はこの特例を解消するため、13年10月から3段階に分けて減額した。

 原告は1段階目の1%減額を取り消すことで国の決定を無効にしたい考え。1%減額により、基礎年金は年額最大8000円、遺族厚生年金は同9万8680円減らされたとしている。

 年金生活者は、障害年金受給者を除けば大部分が高齢者である。それらの人の半数以上が病気にかかり何らかの治療を行っている。そういった暮らしをしていれば年金が全て日常の生活費に使われる人は少ないだろう。

 実は、この年金訴訟は今の現役労働者にも大いに関係する。もし、年金が国民から徴収したプール金から支払われるとしたら今の年金受給者がそのプール金を使い果たせば受け取れる年金が無くなってしまうという話である。

 年金財源をどこに求めるか民主党政権の時から問題となり議論された。年金の元は、国民年金、厚生年金という名の掛け金を国民が負担し足りない分を国が税金で補てんする仕組みになっており、今後、年金基金そのものが枯渇することが予想され全額税負担方式になると予想されている。

 今の状況で年金が始まった頃の仕組みは破綻することが確実である。その破綻を先延ばしするのかそれとも年金保険料の支払いを直ぐにでも止めて全額税負担に切り替えるのかを決める必要がある。

 もし、年金の仕組みが破綻していて、現役世代が直ぐにでも年金保険料の支払いを止めてしまう方がよいのかもしれない。そうでなければ年金受給世代と現役世代の不毛な争いが起こるという事になってしまう。現役世代も何十年もすれば年金受給者に成らざる負えないのだからその議論を尽くさねばならないだろう。



 国が国民に最低限の生活を保障する制度に生活保護費制度がある。その支給額と国民年金の年金受給額は既に逆転している。国が最低限の保障しているのなら年金受給では無く生活保護費受給の方が制度的には正しい方向のように思える。

 生活保護費受給者の医療費の減免制度は手厚く、もし年金受給者の大部分が生活保護費受給者になれば、大半の医療費は年金生活者の今の負担と比べれば段違いなものである。

 更に生活保護費受給者が持ち家に住んでいても余程の資産を持っていなければ生活保護受給者の対象から外れることは無いわけであるから、今回年金訴訟に回った原告の人たちは、生活保護申請をした方が楽な生活を送れることに成る。

 そうはいっても生活保護を受けるという事に抵抗があるかもしれないが、年金制度が既に崩壊しているのならそちらに移行する方がすっきりして良い。生活保護費も税金であるし、年金の財源が今後税主体になると予想されるのだから方式は一本化すべきだと思う。

 ここで問題になるのは、やはり医療費の問題だろう。現在、高齢者も医療費は一部負担が始まり、年金受給者であろうと負担しなければならない。もし、それが今の生活保護受給者と同じ対応にすべてなったとしたら、医療費は倍程度に膨らむ可能性がある。

 そうなった場合、生活保護制度そのものを変えていく必要があるのは間違いないし、国の社会保障費の増大に財源は追いついて行かないだろう。

 今回の裁判は是非その点を論争に加え、国民が等しく健康的な生活を送れるような社会制度を作り上げるようにして行って欲しいものである。