対 水戸戦

 曇り、気温は3度、寒い。

 昨日はドームに見に行った。平日に行われた京都サンガ戦以外は行ったわけである。今年はかなりの試合を見に行けそうである。

 試合は、相手の水戸の前への圧力が弱い部分で札幌が上手くしのげたと言うべきだろう。やはり相手に強力なフォワードがいるとどうしてもその選手に引っ張られやすくラインが下がる傾向にある。

 また、自分たちのリズムでパスが繋がらないような相手。積極的にボール保持者に圧力をかけてくるチームと試合をするとどうしてもパスミスが多くなる。そのため前への放り込み一辺倒になるという弱点を持ったチームである。

 昨日の3バックは、パウロン、櫛引、福森で、相手の攻撃になると堀米、荒野が最終ラインに下がる5バックになる。ここで普通なら5-4-1などのコンパクトなラインに成るはずが、札幌は、5-2-3という3ラインになる。

 そのためダブルボランチの稲本、宮澤の両脇にスペースが出来、更に前に3人なので、両脇のサイドが簡単に開いてゴール前にボールを持ち込まれる可能性が高い。

 それを防ぐため、相手の攻撃が及ぶサイドに宮澤、稲本が流れて数的優位に立つ守りを行う。昨日はそこがそこそこ機能していたが、まだ、荒野、堀米の所が守備に汲々しているので簡単に抜かれることが多い。

 今までナザリトが試合に出ていた時は、攻撃の前3人が前目にどんどん出ていくためどうしても守備に不安のある後との間で上手く間合いを取ることが出来ていなかった。今節、ナザリトが休みの為、菊岡が前に何時までも残らず守備に戻る役割を果たしているため、まだ後ろとのバランスが保たれていた。

 それでも危ない場面では、一人、二人と抜かれてシュートを打たれるなど守備面での課題は多かった。それでも勝てたのは、相手のシュートを止めたクの活躍が大きかった。

 次節にまたナザリトが復帰するとまたスリートップが内村、ナザリト、都倉の組み合わせに戻る公算が高い。この組み合わせで如何に相手の攻撃を前で押さえるか。良い球出しをさせないかが守備的な要に成るのだろうと思う。

 まだまだ、戦術的に目に見える物は無い状態であり、昨日は前節の監督の叱咤が効いて相手にプレスを掛けようと必死でボールを追っていたが、まだまだ選手間の狙いが統一されていない。それを完成させないと上位浮上は難しいと言える。

 昨日の選手評を。

 ク:良い動きで相手の攻撃を抑えてくれた。もう少しでもずれていたら決定的だったので運もあった。

 福森:良いパスが出せるところを見せてくれた。あのFKも枠に蹴ってくれたら最高だった。前への上がりも良かった。

 櫛引:河合が居ない中、ラインコントロールを任され良くやっていた。これで自信を付け河合が居なくても選手たちを引っ張って行く姿を見せて欲しい。結婚して変わったかもしれない。

 パウロン:ヘディングの強さを見せるところと、相手をいなしてボールをパスするところなど、去年の彼とは違う所を見せ始めている。昨日はゴール前の相手の圧力に負けている所もあったが及第点を上げれるだろう。彼の運動能力は素晴らしい。

 堀米:昨日は、良くやっていたがまだ周りの味方選手の位置を把握できなく、攻撃のタイミングを遅らせていた。誰がどこにいるか感じてサイドチェンジなどが出来たら最高なのだが、まだまだ辛抱が続く。

 稲本:相手のパスカットや奪う守備に能力の高さが見えたが、2度ほど相手の動きを外し他所が有った。まだ前での勇気あるチャレンジだったので良いのだが、かれが後ろにいないと不安でしょうがない。

 宮澤:地味な動き。それが彼の長所なのかもしれない。そうとなれば本格的なボランチの動きを覚える必要がある。攻撃と守備の要となる動きを身に着ける必要がある。そろそろ自分の位置を定めて行く時期で、ボール奪取に光るものを見せる時だろう。まだまだ中途半端。

 荒野:微妙。先発はしたが光るものが見せられない。オリンピック代表では攻撃の人なのだが、札幌では守備を求められる。その守備が今一だから攻撃にも冴えが無い。代表に求められるものは攻撃なのかもしれないが、今のかれが攻撃のピースとして選ばれることは無いだろう。きっともっと前で守備に貢献できる能力を見せなければならないのではないかと思う。

 内村:交代まで前での守備に貢献していた。荒野に求められるのはこの動きだと思う。得点チャンスは無かったが彼がいたからこそ零点に抑えられたのだと思う。

 菊岡:彼も交代まで良い動きをしていた。ただしCKをミスるのは良くない。彼ほどのベテランなら全て成功するべきである。守備の貢献は大きかった。

 都倉:ナザリトが居なく昨年の彼本来の役割に戻った格好で結果も出した。ただし、それ以外のチャンスに強シュートが打てなかった。強引すぎる姿が彼の良さでもあり特徴だが、そろそろ相手を交わしてシュートを打たないと決定率は上がらない。

 二ウド:出てきたが、自分の動きを把握していないため彼本来の良さを見せてくれなかった。試合前の練習でのシュートは素晴らしいものがある。FWで使っても面白いと思うが、サイドだと彼の良さが生きない。ボランチかトップ下くらいの位置でグラウンドを自由に走り回らせるほうが生きるのだと思う。

 神田:交代後直ぐにへばった姿を見て横野を思い出した。横野の方がまだガツガツしていた。少しおしゃれな選手を目指しているのだろうが、まだ若いのだから強引さを持って良いと思った。そういう意味でミドルシュートを打つのは良い。ただ枠に飛ばせ。

 上里:やはり稲本の貫録には負ける。交代後バタバタしたところを抑え込めないところが違いなのだと思う。ベテランの味を出すにはまだまだかもしれないが、もっとできるはず。