対 セレッソ大阪

 曇り、22度。

 昨日の試合、CSで観戦。

 見事な負け試合だった。札幌の弱点であるDF力をつかれた試合だった。

 相手ボールに成った時、ゴール前を固めなければならない。その方法論が今の札幌には無い。あったとしてもそれに沿って動かない。いわゆる自分たちの感性で守っていると言った方が早い。

 まず一番大切なのは、相手より人数が多くなければならない。そして次に大切なのは相手へのマークである。そしてオープンスペースへのカバーである。

 この3つが正しく行われていれば後は選手の能力の差であるから、シュートは打たれることもあれば打たれないこともある。そしてそれが決まる決まらないは時の運と言える。

 だからその最低のミッションをクリアして初めて守備の合格点が得られるというわけである。

 昨日の試合を振り返ってみると。セレッソの1点目、パウロンがキックミス。それを拾われ玉田から札幌DFの裏に走り込んだ田代に決められる。札幌の守備の人数は充分いた。しかし、相手にボールを奪われてしまったため選手全員があせった守備を行ってしまった。あの中で冷静に周りの選手を見れる選手が一人でも二人でもいれば変わったのだけれど、上手く拾われ綺麗なシュートを決められる。

 相手の2点目も同じような展開である。相手のパブロがドリブルで札幌ゴール近くに攻め込むと札幌のDFはそこに引き付けられオープンスペースに走り込んだ玉田がフリーとなりシュートを決められる。

 3点目は、札幌のDFが戻りきれない所にスルーパス

 最初に書いたように、相手のボールに成る時の守備ラインがばらばらである。特にパウロンは身体能力が高いのだが、その能力だけで守備をしてしまっている。周りとの連携というより自分が止めてやるという思いで守備をしてしまう。確かに彼の身体能力は高いのでボール奪取は結構できるのだが、余にも自由すぎるので周りとの連携が取れない。櫛引にしろ福森にしろまだ若くディフェンスを統率するというより自分の守備能力を如何に成長させるかが優先で周りを見ている余裕が無さすぎる。

 そのため、最終ラインは、サイドの堀米、前寛之を合わせて5人で守るのだが、誰が誰に行くかその所は選手に任されているためオープンスペースが出来やすく、そこを相手に突かれ後手に回る。全くもって良い所が無くなってしまう。そのバラバラ感は、やはり河合が欠場するようになってから特に目立ってしまっている。

 まだ若い櫛引がリーダーとなって皆を引っ張るという雰囲気は無く、誰が河合の役割を担えるのかによって後半戦の戦い方も変わる。

 夏場に入り体力を消耗する時期に来てから札幌のスタミナの無さを痛感する。あれだけ前半積極的に相手ボールにプレスに行く作戦だとしたら、後半も持つような体力を付けなければ話に成らない。相手より先にばててしまうなら先制点を入れられたらそこでお仕舞になってしまう。走れない選手は上手くても使わないというくらいでなければあの作戦は完遂できない。

 ここ数試合、北海道出身の選手が出場するようになり、札幌らしさは出てきたが、残念ながら結果が伴わない。惜しむらくはあの大宮との戦いで勝ちきれなかったのが大きい。あの試合、2点差で勝たなかったことが後々まで響く感じがする。

 ここにきて、今の選手の実力なら6位以内を目指すというのが現実的な目標となってきた。それも致し方ない。それが目標ならこちらも若手選手の成長を見守ることに徹する構えをすればストレスは減る。

 選手評

 ク:ここしばらくストレートでラインを割るキックが無かったが、昨日は目立った。あれだけで選手の攻撃の意識を削ぐことに成るのでそこは直す必要がある。

 福森:良い所を見せることはできなかった。結構相手に寄せていても奪うまでは行かない所をどこまで高められるか。3バックの左というポジションが彼にとって適正か少し疑問に思えてきた。一つ前かボランチが適正なのだと思う。

 櫛引:一番成長しているが、パウロンを使いこなせていない。彼の役割はパウロンを自分の子分として使いこなすことだろう。

 パウロン:身体能力は高いのは認めるが、きっとまだ日本語で言われても何を言われているか判らないのだろう。

 堀米:走り、攻撃に参加し活躍している。ゴール前に行った時のアイデアが必要な場面が徐々に増え、それをチャンスに結びつけるかが次のステップ。他の代表にいる若手はそれが出来ている。

 稲本:彼の良さであるボール奪取が出来なく前半で交代。ここにきて疲れで出れないのは札幌にとって痛手である。

 前寛之:若い彼に全てを望むのは無理。彼なりのベストを見せ成長しているが、J1に行くためのチームを上げる能力はまだない。そこが出来れば一流に成れる。今までの歴代の札幌の若手選手が出て上に行くか使われなくなるかの瀬戸際を走っている。どうせなら一気に飛び越えて欲しい所。

 荒野:今一つ、チームに合わない。もしかするとこのまま消えていく可能性まで出てきた。このままいくとオリンピックも無理だろう。

 古田:彼の良い所は何なのか本当に中途半端。守備?攻撃?両方?目指している所が不明。不明だから停滞しているように見える。

 内村:90分走れる体力が有ればというのが感想。都倉に上げたボールは良かった。

 都倉:久しぶりの得点。彼が前にいると何となく得点が入るかもと思わせるものがある。昨日も最低の結果は出した。