対 愛媛

 曇り、気温は22度。

 昨日の試合、CS観戦。このところドームに行けていない。

 試合は、またも得点を入れられず、更に早い時間帯に相手に得点を入れられ、それを跳ね返す力が無く敗戦。得点機が無いわけでは無い。キーパーの守備範囲か、ゴール枠を外すシュート。それに比べ相手に簡単に得点を入れられてしまうという何時ものパターン。

 歯車がくるってしまったチームを立て直すには、何かが必要であった。その何かは、監督交代では無かったということである。根本的にチーム作りが失敗してしまった。その原因を突き止めなければ浮上は無い。

 試合を見ていて思った点を上げてみる。

 球際に鋭さが無い。動きだしが遅れている。そのため相手にプレスを掛けて行っても交わされる、セカンドボールを拾われる回数が多い。

 札幌の目指すチーム戦術というのは、ボール支配率を上げることだった。そのため相手に取られない動きはできているのだが、その代り相手からボールを奪い取るという訓練が出来ていない。練習中も甘いプレスの掛け合いをし、相手が着けばボールを味方にパスするという動きな為、選手全員が組織的に球際に激しく行くことが出来ていない。

 今は、ボール保持率を高めるというより、前線からのハイプレスからボールを奪いショートカウンターで相手を仕留めるという流れになっている。ボール保持率で結果を出しているのは世界でもバルセロナしかいないが、それも一流の選手がいてこその結果で、メッシが居なければあの戦術は使えない。

 札幌も比較的ボール保持率は高いのだが、得点を取れる選手がいないため、どうしても今では都倉への縦パス一本で攻撃が単調に終わってしまう。昨日はそれを防ぐため菊岡を入れたが、前半彼のところにボールが集まることは無く、ラインの裏へのパスだしばかりで変化を起こすことはできなかった。

 数年前からのボール保持率を高めるサッカーは札幌の基本なのだが、それだけでは得点を取れないため、都倉、内村に走らせて得点を取るチームに替えてきたのだが、相手のマークと得点チャンスにゴールを決められる力が不足しているため結果が着いてこない。

 更に、最終ラインを使ってパス回しをするのは良いのだが、相手が前に出てきてプレスを掛けてくると簡単にボールを失う回数が多い、これもリズムを狂わす結果となる。

 そのパス回しが攻撃に繋がっているかと言うと全く繋がっていないのも攻めに確実性を失わせている。それは前線の選手がゴール前にへばりついているからである。ゴール前に数人の選手がいるのは当たり前だが、そこから中に走り込む選手に好パスが出ない。折角相手の隙を突いているのにボールが出なければ何の意味もなく無駄走りをさせているだけである。

 ここからチームを勝たせるようにするには果たしてどう動くべきなのか?

 1つは、今回のように菊岡を入れるなら彼をもっと使いそこからゲームを組み立てるべきなのだが、残念ながらそこを上手く使えない。位置取りなどの不具合があるのかもしれないが、相手をいなしてボールを前に運べる選手では無いのは明らかで、彼に変わる選手がぜひとも欲しいのだが、その選手が若い時の小野なら良かった。今の怪我持ちの短い時間しか出れない選手なら先発させることは不可能だろう。

 では誰をそこに当てはめるのか?

 前田がもっと守れて更に走れれば、きっと先発に使われていただろう。しかし、ここ数年の彼を見てそれを望むのは無理だろう。

 そうすると堀米をトップ下に使う方法もあるし、思い切って稲本を前に出すという方法もありかもしれない。

 最終ラインも、不安定で、思い切ってオフサイドを取れるような動きが出来ていない。一つは河合の存在だろう。彼が上下動を指揮するのはもう無理、次節、宮澤が出場停止なのでボランチに上げるというのも手だろう。

 

 狂った歯車を戻すには、思い切った方法が必要で、それはチームを根本的に変えていく必要がある。それにより良くなる場合もあれば、一層ひどくなってしまう可能性もある。残りの試合を有効に使って欲しい。