秋の天気

 曇り、18度。

 台風の余波で、今週は雲の多い週となっている。台風から変わった温帯低気圧が通り過ぎるのは、週明け以降に成る様子。満州付近でこれ程長く停滞している低気圧は珍しい。それ程勢力が強い低気圧ということになる。元が台風だから相当のエネルギーを持っているからだろう。

 ご存知のように低気圧の中心は気圧が低い。何故気圧が低くなるかは小学生か中学生の理科、科学で習ったはずである。

 例えて言うなら、盥の中心に穴を開け栓を付けたものを用意する。それに水を張り底の栓を抜くと穴を根元とする渦ができるはずである。

 水の面が正常の気圧のラインだとすると、渦が出来た所は穴に向かってどんどん水の厚さが減って行く。これが低気圧の中心である。

 この例で行けば、水が地面の底に抜けて行ってしまうので、地上の状態で言えばこれをさかさまにした状態になったと言える。

 だから、低気圧は周りの空気を吸い込んで天に向かって上昇させている状態である。空気の密度は上空では濃いが地上では薄くなっているので、周りと比較すると空気が薄いすなわち気圧が低い状態が作り出されているわけである。

 更に低気圧の上空で空気の濃い場所ができる。高層の空気は気圧が低い分水分が少ない状態にあり、地上の空気は気圧が高層と比べて高いため水分を多く含んでいる。この水分の多い空気が持ち上げられ冷やされるため水分(水蒸気)は氷へと変化する。これが低気圧の雲の正体である。

 台風は、その低気圧の強力型なので、気圧の差が大きく雲のできる量も多い。軽量級の低気圧は殆どが高気圧と高気圧の境にできたもので、自分が運動エネルギーをそれ程持た無いものなので、規模が大きくなることはなくそのまま消えてしまうが、台風はそれ自身が周りの空気を集めてあたかも自分の運動エネルギーを増やして成長しているように見える。そのエネルギーの供給が経たれる原因は、主に地上の熱がそれ程高くなくなった時である。

 今の時期北半球は夏で海水温度が比較的高く、日本海を移動する間にも運動エネルギーを吸収してきたため、温帯低気圧に変わったとしても渦の中心を持つ力強い低気圧のまま存在している。

 それが、徐々にエネルギーを失い偏西風によって流されるようになるまで時間が掛かる。それが今の状態である。だから週末以降も雲は残るし、移動する際にも冷たい北側の空気を巻き込むためこの低気圧が北海道上空を過ぎ去ると一気に冷たい空気が入り込むだろう。そうなれば本格的な秋の訪れということになる。

 秋の長雨と言うが、もしかすると9月の前半は雨の多い天候が続く可能性がある。