安保法案成立へ

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引用 時事通信http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2015091800048) 

 今国会最大の焦点である安全保障関連法案をめぐる与野党の攻防は18日、大詰めを迎えた。与党は午後にも参院本会議で採決に踏み切り、成立を図る意向。民主党など野党5党は、これを阻止するため、衆院内閣不信任決議案を共同提出するなどして徹底抗戦を続ける。

 民主、維新、共産、社民、生活の野党5党は同日午前、国会内で党首会談を開催。衆院に内閣不信任案を提出するタイミングについて最終調整するとともに、安保法案の成立阻止に向けて結束を確認する。

 今回の安保法制の件、筋の悪いパフォーマンスを見ているようで気持ちが悪い。全ての国会議員を持ていると人間の持つ醜悪さがよりいっそう強調されあたかも餓鬼のように見えるからたまらない。

 そこに存在するのは、日本の為と言う考えがあるはずなのに、それを成すための過程の方が重要になってしまっている。自分のあるいは自分たちの思い通りに成る成らないが目的となり、民主主義の根本である正当な議論が存在しないからである。

 民主主義が多数決を原則としているのだとしたら、この国会は与党が多数を占めるため与党の思惑通り進むのは反対する野党も知っていることである。

 だから国会審議が始まっても、本来なら安保法案の良い所悪い所を議論し合い法案が適切になるように修正しなければならない所なのだが、反対することが目的となり野党は相手の揚げ足を取ることに終始していた。更に与党も相手が話し合いに応じないことを知っているため、法案を通すことが目的となりそれを通す事だけに終始してしまった。


 そうなれば、見ていて気持ち悪さだけが浮き彫りに成り、これが日本の政治なのかと絶望感を抱かせる。もし、今本当に有事と呼べる事件が起きた時国会が正常に機能するとは到底思えない。

 

 この法案に反対する人たちは、自分たちの意見に同調する国会議員の数を増やすしかない。それには選挙で自分たちの味方が当選させることである。そうすることで多数決を確保したならこの安保法案を再度作り替えれば良いことである。

 だから負けることが判っていても野党の国会議員は、次の選挙のための行動をするしかないという事は良く判るが、それだとしたらイメージダウンにつながらないようなパフォーマンスを行うべきだった。



 そして、この混乱の原因はやはり数の力に威勢を張る自民党の行動だと思う。自分たちが圧倒的に優位に立つのなら、その姿を衣に隠し、相手を丸め込むような戦略が必要で、これ見よがしに数だけを誇示して行動することに何の信頼を生まない。昔となってしまったが、一党独裁に近い頃の自民党政権を思い起こさせる。

 ただし、あの頃はそれなりに国会対策と称して野党議員にも根回しして花を持たせるような裏工作を行っていた。それも一つの舞台回しの役割を持つ人が複数いたからなのだろう。

 ただこれも度が過ぎると、国民からは見えにくい所で物事が決まってしまうという副作用が起きる。それに国民が不満を持つから自民党政権が下野したのだし、今の何が起きるか判らない与野党の行動と言うのも判りやすいと言えば判りやすい。

 

 この後、また国会解散という事も考えられる。ただし、安倍政権としてもここで国民に信を問う解散をするかどうか判らない。来年の消費税増税の問題が控えているだけに安泰とは言えない所がある。


 そして野党であるが、今回の反対する点では一致した集団を果たしてそのままの形で次の政局まで持たせられるかという所だろう。

 一時は大同小異で纏まったグループも枝葉末節では考えが異なる人たちである。その考えの違うグループが集まって政治を行うと、その考えの違いからやはりバラバラになってしまう。イデオロギー的に先鋭なグループも当然混ざって来るから、その広い考えを一つにまとめるのは至難の業で、かっての日本新党民主党政権と途中で破綻する可能性も存在するだろう。


 人が集まれば集団となり、その集団が膨れ上がればその集団の中で少しの考えの違いを元にしてまた集団が形成される。そのわずかな違いから分裂し、集団同士の争いを引き起こす。

 最初は、同じ目的を持っていたはずなのに。既に歴史からそういった人間の行動を理解しているはずなのにやはり同じ筋書きに成る。呆れるしかない。