収賄事件

 晴れ、気温は8度くらい。昨日の夜は氷雨のような冷たい雨が降ったが、雪には変わらなかった。それでも朝のニュースでは上川地方などでは平野部に雪が積もったことを報じていた。


引用 日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13H8M_T11C15A0CC1000/) 

税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度導入に絡む業務をめぐり、東京都内の情報関連会社が受注できるよう便宜を図った見返りに現金100万円を受け取ったとして、警視庁捜査2課は13日、厚生労働省情報政策担当参事官室の室長補佐、中安一幸容疑者(45)=さいたま市大宮区三橋1=を収賄容疑で逮捕した。同課によると容疑を認めているという。

 この人の講演を聞いたことがあるが、厚労省の役人と思えない服装をしており異彩を放っていたのを記憶している。ノンキャリアでこの地位にまで登り上げたのは他のキャリア組にない能力を持っていたのだろうし、ただこの後の自分の役割を全うしても省内での地位はこの辺りが限界と思われる。

 自分は公務員でも何でもないのでそういった地位的なものに精通しているわけではないので何とも言えないが、省庁のポストは一定数しか無くその地位を順々に年度ごと上り詰めていくイメージである。丁度三角形のピラミッド構造である。上部の椅子がキャリア組に占められているためノンキャリア組でどんなに優秀でも最上部には上り詰められない。

 だから役人から政界に転出する人間が多いのだと思う。何故ならそのまま省内に留まっていても次官にはなれないと思えば、その次官にものを言えるのは政治家である。どんなに下っ端の政治家でも議員バッチを付けていれば相手も無下にできない。政治家と役所と言うのはそういう関係である。

 それができない場合、やはりそういう政策に通じた能力を利用して民間企業に天下るというのが次の方法だが、民間は許認可権限のある役所に頭が上がらない。どんなに大企業であろうと目の敵にされては仕事がしにくくなるのが日本の仕組みである。

 そして最後の道が、自分の権限を利用して接待を受けたりすることで利益供与し、その行きつく先が収賄ということになる。

 お縄に成れば今まで築いてきた地位や名誉を失う事が明らかでも、一度道を外してしまえばそこから抜け出すことはできなくなる。

 人間ならそんな誘惑に負ければ自分の人生を失う事は知っているだろうというのは当たり前のことで、その自覚を持っていても何割かの人間はその道を踏み外す。それが人間の悲しい所である。