対 鳥栖 天皇杯

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 昨日の夜は、スカパーで放送していた天皇杯の試合を見ていた。若手が生き生きと活躍していたのを見てベテラン勢の情けなさを感じたのは自分だけだろうか?

 試合は、鳥栖の際どいシュートを札幌のDFが体を張って防ぎ、札幌も子気味良いショートパスを繋いでシュートを打つというお互い一歩も引かない試合展開となった。

 勝負は、鳥栖のFWの豊田を如何に抑えて札幌が得点を入れるかで決まると思っていたが、鳥栖の豊田は怪我上がりの為か動きに精彩が無く、他の選手もJ2の選手と比べて能力が特段違うかと言えばそうでは無く、今の順位に甘んじているのもうなずける状況だった。

 札幌の若手も生きのいい動きをしていたが相手のプレスにミスし、シュートも精度を欠くなどの状況は反省すべきところだろう。若いという理由で許されるプレーも数年経てば許されないプレーとなる。もう一本パスを繋げばもっと確率が上がるのにと思う場面でミドルを打ちそれも吹かすなど今だから許されるプレーが散見された。

 プレーに若さゆえに持つ思い切りの良さや、失敗を恐れない所は年齢を重ねても忘れてはいけないが、やはりプロで生きていくためにはそれを抑えて頭を使う所も必要になって来る。その辺りをこの一、二年で身に着けて行かなければプロとしてはやっていけないだろう。

 最後はPK戦にもつれ込んだが、最後はキーパーの金山が蹴りポストに当てるシュートで試合終了。少なくとも0-0の試合は褒めて良いだろう。

 そして、DFとして出場していた永坂、進藤が使えるという点は証明して見せたと思う。残りの中原はオフサイドに何度も引っ掛かるなど駆け引きを理解していない。駆け引きのお手本だったゴン中山からその技を盗めていたらと思う。神田は、若さだけを表にだしてプレーしていたが、このままでは消えてしまうだろう。もうそろそろ周りを見回してプレーしなければ、そのお手本はやはり小野だろう。

 荒野は、あの跳ね返りを頭で決めていたらオリンピック代表に近づいていただろう。外すところが彼らしい。一つ一つのプレーが自分の人生を決めてしまう。若いからまだ次があると考えるだろうが、長い時間で見ればその一つのプレーが決まる決まらないで人生が大きく変わることを年寄りは知っている。本当にタラレバだが、その一つ一つの失敗の積み重ねが将来の選択肢を狭め続けている。逆に考えればラッキーなプレーであったとしても成功の積み重ねがより上のレベルに引き上げる結果となる。どんなに泥臭くても、ごっさんゴールであっても大きなプラスポイントとなる。

 そういう意味で、後半交代で出てきた前田が良い見本である。若いころから期待され経験を積んできてチャンスは目の前に何度も現れただろう。その一つ一つに成功と失敗があり、結局札幌にいる。その率でいえば失敗の方が多かったのだろう。もし、全てのチャンスをものにしていたらきっと海外リーグで活躍していたかもしれない。

 後半出てきて、ボールが回ってこず何となく何時もの通りにプレーを続ける。スタミナ的には周りの選手よりあるはずなのに、ボールに追いつけないと自己判断をして全力疾走を止める。追いつけないと自分で決め込み相手にプレスに行かない。もしかすると、自分がプレスを掛けることで相手がミスするかもしれないという事をすっかり忘れてしまっている。

 いつも相手が好プレーをするわけでは無いのに、100回の内1,2回は必ずミスするはずなのにその事は頭に思い浮かばない。そのプレーは若手の手本に成って欲しくない、言うなら若手の反面教師に成ってこの先ずーっと札幌にいて欲しいくらいである。

 今いる札幌の若手たち皆この先も成長して日本代表に選ばれるようになってほしいと思うが、残念ながら必ずここから伸びる者と伸び無い者に分かれてしまう。それは、年数が経てば経つほど明らかになる。