栄枯盛衰

 晴れ、気温は3度。外を歩くと手がかじかむ気温である。


 「栄枯盛衰」という言葉を口に出すことがあるが、古くは源氏物語に出てくる言葉である。同じ意味として使われる四文字言葉「盛者必衰」というのがあるがこちらは平家物語にでてくる。両方ともその時代に良く使われたからこそだと思う。更に遡れば漢詩から出てきたものだと想像できる。


 この言葉の意味は、栄えたものは必ず衰えるということになるが、これは本当に真理だと思う。創業者が築いたものを2代目が潰すという話は良く聞く。

 初代が作り上げた仕組みを如何に継続するかが2代目の役割であるが、得てして2代目は、先代の功績を更に上を行こうとすることが多い。それだけの器量が有ればそれは可能で、実際にそういった人もいる。しかし、そこで躓くとあっという間に傾くのは当たり前で、そこが難しい。

 それは人が永遠に生きられないことに起因している。人が死ぬという事は、何らかの区切りがどの場面にも存在するということに過ぎない。


 しかし、あの人があの会社がと言うものを見たり聞いたりすることが増え、その言葉の重さに滅入るものがある。しかし、必ずしもそのれが悪いというわけでは無い。一時代を築いた仕組みが何時か陳腐化し変化を求められる時がくる。その変化に着いていけないものが脱落していくのは、必要な事である。

 大きなことで言えば、恐竜が一時代を築いた後に滅んだように、人の世も何時か自分たち或いは他の影響で滅ぶことは当然あるだろう。それを克服することは今の人類にとって不可能な事だと思うからである。