シャープ

 曇り、気温はマイナス2度。

引用 日経新聞http://www.nikkei.com/article/DGXLZO96948240V00C16A2EA2000/) 

シャープは今後、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との詰めの交渉に入る。官民ファンドの産業革新機構の再建案の受け入れでシャープ経営陣が方針を固めていた中、潮目を変えたのは出資額を積み増した新提案を手に1月30日に自らシャープ本社を訪れた鴻海の郭台銘董事長だった。みずほ銀行三菱東京UFJ銀行のシャープの主力取引先2行に漂う温度差も、その流れに拍車をかけた。

 このニュースを朝やっていたが、シャープの社員らしき人がインタビューを受けていて、日本企業で無くなるのは残念と言っていた。

 確かにホンハイは、台湾企業だが、シャープの前に潰れたサンヨーはパナソニックに買収され、今では跡形もなくなってしまった。日本企業に買われようと台湾企業に買われようと、この先に待っているのは相当な困難な道のりなのは間違いない。

 生き残る部分と切り捨てられる部分の温度差は非常に厳しいものがあると思う。それがこの先訪れる未来なら受け入れざる負えないだろう。

 企業倒産は、日本のいたる所で毎日起きている。大きな原因は資金の行き詰まりが殆どで、いくら良い技術を持っていても生かしていなければ無いのも同然である。

 経営者は、その技術的な部分をどのように生かしていくのかを真剣に考え行動していかねばならない。それで初めて、企業として生き延びる。

 それは小さな町工場でも今回のシャープでも同じことである。生きる方向性を間違えてしまえば直ぐに傾いてしまう世界である。

 栄枯盛衰は、企業には必ず起きる。時代の流れは1,2年で変わる。昔は10年単位だったものが情報革新の影響で、技術はたちまちのうちに世界に広がる。その周期の短さを見越して企業は事業計画を立てるが、旧態依然とした経営者が舵取りしていれば直ぐにでも消え去ってしまう。


 この先一番危ない企業は、appleだと思う。それを追いかけようとしていたサムソンは既に危機を迎えつつある。何故なら企業が一番危険なのは、世界のトップに躍り出た時である。周りのどこよりも秀でると次を目指すものをリーダーとして世に出さなければならないというジレンマに陥るからである。

 その方向性が間違っていればたちまち地に落ちていく。シャープが失敗したのは、液晶テレビの技術で世界のトップを走っていた時に、次の一手を誤ったことだろう。液晶技術の基本的な技術は、日本企業が率先して新興国に手渡し、現地生産をさせていた。

 基本的技術が世界に行き渡れば、スタートは同じになる。シャープが次々と革新的な技術を出してもそれをメリットとして受け取る顧客が少なければ製品の優位性は失われてしまう。

 もしそれが嫌なら、先進的技術を開発した企業を次々に買収していくしか方法は無い。そうしてライバルをつぶしながら技術を吸収し母体を維持するしかないのである。その資金がある程シャープは豊かでは無かった。

 企業は、一度トップに立てば後は坂道を下らないようにするしかなくなる。そして大きくなればなるほど舵取りは難しくなる。そして何時か企業という物の存在意義を問われるようになる。