大震災の備え

 晴れ、気温は3度。

 熊本周辺の余震はまだ収まらないようである。東日本の時もずいぶん余震が続いたので同じようにこの地域も当分続きそうな気配である。本当に、今回の震災に見舞われた方たちにはお気の毒にという言葉と、今後の復興のたまに自分も少しでも手助けができたらと思う。

 自分が今まで過ごしたところが幸いにもそういった災害に会うことが無く、そういったことに遭遇した時の大変さを分かっていないところがある。本当に食料や水が不足し寝るところが無い、更に家を失ってしまいこれから住むところの無いという現実におののく気持ちは理解できる。

 自分も自然災害に会うことは無かったけれど、家を火事で失うという経験をしたことがある。その時の漠とした不安とこの先の運命の変化を感じた。幸いその時に、周りの人たちに助けられ住むところもでき普通に学校に行けたのだが、心に空洞ができたような虚しさがあった。

 そういう境遇に今回図らずもなってしまった人たちがいることの気持ちも想像すると心が痛い。しかし、結局は起きてしまったことは取り返しようがなく、この先の人生に向かって一歩一歩進むしかなく、時は否応なく進んでいくのが現実である。今は、避難先の人たちが寄り添うことで、心の痛みを和らげてもらうしかない。



 今回の熊本で起きた震災は、5年前に起きた東日本の震災から続いている兆候と思う。何の学問的根拠はないが、東日本の震災を契機に日本列島の直下に横たわるプレートの均衡が間違いなく外れてしまったと思う。

 今まで、ある一定の力で押し合いを繰り返していた証拠が、時たま起きる小規模な地震だったが、東日本の震災で東北地方にあった太平洋プレートからの圧力が一度抜けてしまった。そうなれば今まで均衡を曲りなりに保っていたものもバランスを崩し始めたといえる。

 だから、今回、東日本と関連の無いように見える地震だが、日本列島の下で新たな均衡を求めるべく少しづつ移動を始めているのだろう。この動きは、地球の歴史の中では一瞬だが、人間社会の時間レベルでは100年単位の変化になるのだろう。

 今後も、日本列島の真下で起きるプレート活動により大きな地震は必ず起きるだろう。それに対する備えというのは、人間の力で克服できないが部分を除いて、被害を最小限に抑えることは可能と思う。

 今一番恐れるのは、首都東京周囲での大地震である。もし今回の規模の地震が起きれば日本の機能は完全にマヒすると思われ、被害も今回の比ではないだろう。幾ら備えが有っても今回の死者数、けが人の数はけた違いに多くなり、復興に要する時間も限りなく長くなると思われる。

 2020年に東京オリンピックが開催されることが決まっているが、そのための施設にお金をかけることよりも災害に備えた都市機能の準備が必要だろうと思う。また、繰り返し言われている首都機能の移転も遅々として進まないが、数年先に災害が必ず起きるという前提で早急に進めること希望する。


 今の状態で首都機能が消失すれば、この先、日本が今の繁栄を取り戻すことは永遠に不可能になる可能性がある。