対讃岐

 晴れ、気温は15度。数日前の予報では雨だったが、当分晴れが続きそうである。


 昨日の試合、午前中外に出ていたので録画を追っかけ視聴。

 試合は、ここまでのコンサドーレの試合運びが徐々に完成しつつある感じである。前線の3人がハーフラインの10から15mくらいの位置から相手にプレスを掛け、相手が前に出さないと感じたらそれを超えてプレスに行く。それを相手が嫌がって前にただ蹴りだすかキーパーに戻せばそこにプレスに行く。

 そうして相手の攻撃を遅らせるあるいは不正確なパスを出させてそれをカットするする。それを試合を通して行う約束になっているが、得点を入れた後は、プレスの位置をハーフラインまで下げる感じになっている。ただそれは監督の指示というより選手間の少し時間稼ぎをするためと体力温存狙いなのだと思う。

 そして徐々に選手間の呼吸が合ってきたのか、ボールのパススピードが上がってきている。それをトラップして納めるようになっているのは、去年のチームと違うところだろう。そのため、代わって入る選手がこの動きについていけないと中々試合に入れずそこで停滞してしまう。

 交代選手の役割は、チームのリズムを壊さず如何に試合に入れるかがベンチ入りのカギとなっていそうである。試合数をこなしながら徐々に先発メンバー固定されてきているため如何に交代選手が先発と同じ動きができるように練習するかが今後夏場を迎えるにあたっての課題になるのだろう。


 試合は、相手讃岐がコンサドーレの良さを消すため中盤でプレスを掛けながら味方ボールになれば前に飛び出して攻撃を繰り出すという攻めに徹していた。

 5-2-3(攻撃時は3-4-3)のコンサドーレボランチの両脇は当然空いているのでそこに選手を走らせ、受けた選手はゴール前に走りこんだ選手にパスを出してシュートを狙うという攻めを繰り返す。それができるのもやはり選手の体力があってのもので、選手が走りこむのをやめると途端に札幌の選手がきちっとブロックを作って守るために攻撃につながらなくなる。

 そのためコンサドーレの選手も相手の攻撃の手を遅らせるために体を張った守備をする。だから宮澤選手がカードを貰いやすくなる。深井選手も同様である。ボランチにかかる負担は相当なものである。その二人のボランチの負担を減らすには、前3人がどれだけ守備をしてくれるかに掛かっている。

 

 その前の3人が守備をさぼれば、ボランチの網に掛からなくなりゴール前にボールを運ばれピンチを迎える。さぼるというのは、疲れて足が止まった時間帯にも言える。得点を取るためにゴール前まで走り、絶えず相手にプレスに行き続ける体力がFWに備わっていなければレギュラーになれない。

 

 そうして時間が経てば相手の足が止まり、どうしても無理なロングパスが増えてくる。そうするとコンサドーレの守備がボールを奪い、攻撃のターンになり、相手の守備が戻っていればパス回しから、相手の守備の人数が足りていなければ裏狙いと攻撃の王道に沿って得点を取りに行く。

 ここのところ、相手の裏を抜け出して得点を得る機会が減っているのは、都倉のゴール感覚が低下しているため。本来ならもっと得点を取れるはずなのだが、ゴール枠にボールが飛んでいかなくなっている。そこが、1-0の試合が多い理由である。その代り内村が得点を取っているため連勝している。

 もう一つ、遅功でも得点を取れている理由は、ジュリーニョの個人技で相手が2,3人いてもドリブルで抜け出せるために相手DFが止めるために集まってきて隙間ができやすくなるからである。そこを狙って選手が飛び出すことで攻撃につながるのだけれども、まだそこから得点を取るまでは行っていない。

 しかし、そのコンサドーレの試合運びも後半になるとガラリと変わる。選手の足が止まり始めるとFWとボランチのプレスが掛からなくなってくる。そのため何度もゴール前にボールを運ばれピンチを迎える。そして、左右に振られるとサイドにフリーの選手が入ってきて決定機を作られる。

 昨日などは、3度ほどフリーの選手がシュートチャンスを得たが、シュート力の無さでゴールを割られることが無かったが、相手の交代選手の層が厚ければ簡単に決められてしまっただろう。

 コンサドーレの勢いが止まるとしたら、夏場の暑さによるものだろう。相手も同じ条件だが、今のやり方は運動量を求められることに間違いなく、足が止まってはそれができないからである。

 だから今のうちにバックアップの選手がどれだけ代わりに出場できるかにかかっている。小野、稲本、河合、ヘイスと代わりの選手はいるので今は上手く回っているが、それに代わる若手の押し上げも必要である。それが夏場に出てくるかである。

 

 最後に書くとすると、ここ数試合監督の後半の戦略が変わってきたことである。それまでは、1点でも先制していれば守りを固めて勝ちに行くと決まっていたが、徐々に攻撃の選手を交代に入れながら試合を終わらせようとしている。それが後半に投入される小野の役割である。水戸との試合は、それが上手くはまり後半に得点を入れることができた。昨日の試合も交代で追加点を狙いに行ったが、都倉の足が既に止まっており、交代で入ったヘイスの動きも相変わらずで、相手を交わしてシュートまで持っていけない。そろそろヘイスが得点を取ってくれなければ、彼は使われなくなるだろう。余りにも攻撃にアクセントを加えられない。使いどころが難しい選手である。

 次の試合は、昨日は不調だった山口との試合である。山口も開幕から走り続けたため疲労のピークが来ているのだろう。それがいつ回復するかが気がかりである。後半、セレッソ戦のような走りができればコンサドーレの守備網もズタズタにされる恐れがある。ジャイアントキリング狙いで来られると厳しい試合になる可能性が高い。