対セレッソ大阪

 曇り、気温は16度肌寒い。

 今朝はヨーロッパ選手権の決勝だった。はっきり言って今までのどの試合よりも見ていてガッカリなところが多かった。その理由の一つは、個々の選手の能力は高いのだが、だからと言って戦術が際立っているかといえばそうではなく、引いて守るチームが勝ち上がったことにある。もう一つ言えば、クリロナが試合開始早々左ひざを痛め退場したことも少し原因がある。個人個人の能力が優れているのだから、戦術がある程度ゆるければ個人能力の戦いになる。それで局地的にぶつかり合い技を競い合うことになるのだから勝敗は偶発的なもので決まる。それまでの組み立ての過程など関係ないといえばない。

 

 土曜に行われたコンサドーレセレッソの戦いを振り返ることにする。CSで観戦。


 後半の折り返しで現在首位のチームと2位のチームが戦う、星の潰しあいという形である。勝った方が首位に立つ天下分け目の戦いになる。

 お互いここまで連勝が続き、好調を持続している。ただし、コンサドーレは負傷者が増えてきており徐々に手駒不足になり、急遽、鳥栖から菊地を補強した。セレッソは、これまでチーム得点王のブルーノが退団し中国リーグに移籍をすることが決まり、スターティングメンバーに変更がある。

 試合は、セレッソの攻めで始まる。コンサドーレは、ある程度夏の暑さを考慮して攻撃の手数をいつも通り省略する戦いに出た。しかし、前節累積で欠場した都倉は上手くボールを収められず、もう一人のFWヘイスにもボールが収まらず、攻撃らしい攻撃ができない。

 翻ってセレッソは、攻撃にスピードがあり再三コンサドーレのゴールを脅かす。そのシュートを防ぎ切ったクは素晴らしかったが、前半終了間際に相手選手との接触プレーで体を痛めてしまう。ここでGK交代ということになり、コンサドーレは交代枠を使ってしまう。この交代によりコンサドーレの攻撃の手段を一つ失うことになった。

 交代した金山も反応良く飛び出したり相手シュートをストップしてその役割を果たしたが、この交代がなければジュリーニョを後半に投入できただろう。後半相手の足が止まった時間帯に彼の足技で起点を作れたはずで、もったいなかった。

 試合は、後半に投入された内村がゴール枠に飛ばすシュートを2本放つが相手キーパーの攻守に阻まれ得点ならずそのままドローで試合終了。

 移籍早々先発した菊地は思いの外チームにフィットし守備に破たんは見せなかったのは良かった。宮澤、稲本、進藤、前寛、マセードとケガで中盤と後ろの選手が軒並みリタイアしている中で無失点に抑えたことは、次の試合につながる。

 しかし、少し残念なのは、今年期待されている若手がケガの選手に代わり出場できないことである。ケガで選手が出れないということは、自分にチャンスが巡ってきたということで、ここで幸運の女神の後ろ髪をつかむことがこれからの自分の選手生命に直結することである。そこでアピールしなければいつするというのだろう。

 相手のセレッソもJ2で勝つために補強しているが、いつの間にかベテランに頼るチームになってしまっている。このあたりコンサドーレと同様にJ1に昇格したときに果たして残留できるかということになる。後半戦は、J2の試合で勝ち続けるとともに徐々に世代交代をしながらJ1で勝てるチームを作るかという課題も与えられている。

 このままいってもJ1昇格と同時に他からの移籍選手が大量に加わって戦うことになりかねない。お金があるセレッソは可能かもしれないが、コンサドーレはそうはいかない。できるだけ今いる選手たちを成長させながらJ1で戦うチームを作り上げる努力が必要である。

 一つの不安は、どこかで負け始めた時に勝利を求めてチーム方針が変わる時である。その時にチームが一体となって戦っていけるかが昇格の行方を左右する。