組織

 晴れ、気温は4度。すでに11月から12月の寒さに近くなってきた。日中の気温は上がるようだが、この冷え込みは木々を紅葉に変える。

 色々な、ものの秩序というものは簡単に壊れやすい。秩序を保つには、何らかの統制が必要である。そしてその統制を取る組織が腐敗してはならない。

 何故なら、秩序を保とうとする組織内部で秩序が守られていなければ、その守る守らないの境界を越えやすくなるからである。また、一度出来上がった組織は、必ず腐敗する。それはやはり組織の中に異分子が混ざりこみ一定のレベル以下では露見しないが、ある一定レベルを超えると組織ががたつき始める。更にその異分子が組織の中で権力を持つ地位にたどり着けばやがて崩壊を始めるのが常である。

 組織を守っていくためには、その一定数混ざってしまう組織にとっての異物をあるレベルにまで抑えるとともにその異分子が権力を持たないような構造にしなければいけない。

 日本の長年に続いた組織があっけなく傾くのもそれがあるからである。よく言われるのが初代が築いた屋台骨を2代目が食いつぶすという言葉である。創業者の才能を2代目が受け継げばよいが、それがないのに創業者の威光があるため当然2代目もその能力があると誤解されてしまうか本人が誤解してしまうからである。

 更に日本型企業に多いのはコネ採用というものである。よく話題に上るのは、テレビ局の話である。芸能界という華やかな道具があるため、有力者の息子、娘には魅力的に映る。更にテレビ局のスポンサーになれば更にバカ親はその権力を使おうとする。テレビ局も自分たちの営業のためなら席を設けることも可能である。

 縁故採用も組織の中で一般社員と同様に評価されていくなら何の問題もない。そういった自浄作用が働けばである。しかし、そうならない場合もある。そういった社内の雰囲気が組織を暗闇に引き摺り込むことになる。テレビ放送が始まってまだ60年余り、会社組織もそれほどの歴史が無いにもかかわらず時代の中で新聞とともに時代をけん引する役割を果たしてきた。そのプロパガンダ力は、新聞や雑誌よりもはるかに大きかった。

 組織の崩壊を食い止めるには、やはりある一定以上の異分子を増やさない、更にその異分子に権力を持たせないことが必須条件となる。ある一定数の異分子は、組織を活性化させるのに必要な刺激である。または、その異分子の中から異能の才能を発揮するする人物も登場する。

 そういった組織構造の中で組織構造も徐々に変化していくことは、生物の進化にも通じることではある。まさに組織は生き物で変化を止めることはできないし、その中で競争しあい進化を止めた組織はやがて消えていくことも自然の摂理なのだろう。