欲望

 晴れ、気温4度。頭がキリッとする寒さである。日中の気温は上がるらしいが、西からくる低気圧の影響で木金が雪の可能性との予報。平地でも雪が降る可能性があるということなので、シベリア寒気団が冬の到来を告げにやってくる。

 人間は、本当にバカだと思う。目の前にある欲望を達成するために社会的地位を失うことも行ってしまうからである。その欲望の欠片のような破片は、誰の心にもあるのだと思う。

 誰しもが抑えようとして負けてしまうものに食欲というものがあるが、その食欲に負けたとしても自分が肥えていくだけで限界を越えなければ他人に迷惑を及ぼしにくい。

 また、コレクターなども集めたいという欲望が度を越せば家族に迷惑をかけるかもしれないが、表向きは収集家という名前で別段気味悪がられることは無い。

 しかし、その収集も性的な対象物を集めるようになると、コレクターではなく変態となってしまう。更にそういう物に限って巷には転がっておらず、その欲望に負けてしまうと下着泥とかに変貌する。それで捕まらなければというところだが、いったん明らかになってしまえば完全に変態のレッテルを張られる。

 元をただせば、趣味の品を集める対象が、絵画であったり切手といったものではなく、下着という物といった括りでいえば物体なのだが、その対象が他の人に不快感を与えることで犯罪になる。

 最初にいった欲望という欠片を誰しもが持っているといったが、その欠片の集中度合いが極端になるほどマニアになるというのも面白いことでもある。

 マニアにとって対象物は、貴重な品でこの世に多く存在しないものである。しかし、興味を持たない人にとって希少価値はあるだろうが積極的に収集する気持ちを起こさせないことが多い。物珍しという感慨があるが、その集めた物を見たときに感じるのは、一人の人に潜む欲望を満たすための執念がその収集物に込められているように感じることである。その中に潜むエネルギーが見る人を圧倒させる。

 そうした欲望が誰の心の中にも潜んでいることを知ることが恐怖さえを引き起こし、更に同じ人として自分の心の中に潜んでいるということを実感させることになるのである。ある意味、人の心の欲望の深さを突き付けられたといってよいだろう。